エネルギー

太陽エネルギーの利用可能量算定

空から見る・測るソーラーパネルの導入可能性


図1 判読事例
エネルギー供給構造高度化法の導入により、太陽光発電の新しい電力買い取り制度が義務化され、建物への太陽光パネルの設置が進んでいます。 アジア航測は、航空写真や家屋図などの自治体の保有する航空写真をはじめとする一般的な既存データを用い、太陽光パネルの設置状況を視覚的に把握するとともに、建物ごとの日射量算定や屋根の空地状況、景観規制や建物構造を把握することで、より現実的な太陽エネルギーの利用可能量を推計し、今後の再生可能エネルギー普及のための目標値算出などの基礎資料とすることを提案します。

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太陽エネルギーの利用可能量算定の概要


【判読名人による太陽光パネル判読調査】
アジア航測の特許技術である「判読名人」(航空写真判読ソフト)を活用して、自社で作成した独自の判読基準をもとに、太陽光パネル設置の有無を判読します。本システムは、高解像度の航空写真データを素早く表示することが可能で、判読終了範囲をブルーマスク表示できるため、判読漏れを防ぎ、航空写真判読を迅速かつ効率的に行うことが可能です。

【三次元都市モデルとGISによる太陽エネルギー利用可能量推計】
太陽光パネル設置可能面積の把握では、屋根の空地状況を航空写真判読により行い、日射量の算定には、擬似的な三次元の都市モデルを作成し、GISにより建物ごとの年間日射量を推定します。また、景観規制や建物構造の把握し、それら太陽光パネル設置上の制約要因を利用可能量の推定に反映させるために、景観規制区域図および築年数から推定した建物構造のデータベース化を行い推定に取り入れることで、より現実的な設置可能建物の抽出を行います。

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本提案の特長


・航空写真や家屋図などの自治体が保有する一般的な既存データを活用(汎用性)

・既存データを効果的に組み合わせ、GISを用いて処理することで、簡便かつ低価に利用可能量の算出が可能(簡便性)

・複数の設置可能条件の設定により、建物個別の現実的な設置可否の検討が可能(現実性)

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活用事例・京都市(総務省「緑の分権改革」推進事業案件)

京都市では、下記の内容を実施し、地域別の発電量のポテンシャルを推計しました。

(1)現状の把握:「判読名人」を活用して、京都市内全域の建物(55万棟)を対象に自社で作成した独自の判読基準をもとに、太陽光パネル設置の有無を判読しました。

(2)設置可能面積の把握:建物屋根へ太陽光パネルを設置するためには、屋根に一定の空地面積が必要です。屋根面には空調関係機器や配管などの設置物が存在していることや、太陽光パネルは主に南側屋根に設置することから、屋根の空地のうち現実的に設置可能となるエリアは限られてきます。ここでは、航空写真を活用して建物種類ごと(戸建住宅、集合住宅、商業施設、工場、公共施設など)にサンプリングを行い、それぞれの建物の屋根面積に占める平均的な空地面積の割合を算出し、建物種類ごとの空地の割合(空地係数)を定義しました。

(3)日射量の算定:擬似的な三次元の都市モデルを作成し、GISにより建物ごとの年間日射量(kwh/年)の推定を行いました。三次元都市モデルは、家屋図および家屋課税台帳を用いて高さ情報を持つ家屋モデルを作成し、DEMデータ(標高データ)を重ねた擬似DSM(数値表層モデル)により作成しました。

(4)景観規制、建物構造の把握:太陽光パネル設置上の制約要因を利用可能量の推定に反映させるために、景観規制区域図および築年数から推定した建物構造のデータベース化を行い推定に取り入れることで、より現実的な設置可能建物の抽出を行いました。

(5)太陽エネルギー利用可能量推計:以上をもとに、ケース1(最大レベル)~ケース3(現実レベル)を設定し、地域別の発電量のポテンシャルを推計しました。推計結果を詳細に解析したところ、例えば密集市街地である中京区、下京区では5~6割程度の建物が設置可能であるのに対して、伏見区や山科区では7~8割程度にのぼるといった地域性を表す結果が得られました。

     図4 日射量算定結果

図4 日射量算定結果

 

 

 

 

 

 

図5 京都市の太陽光パネル設置可否判定結果

 


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