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阪神・淡路大震災から25年

~ 震災直後の写真公開 防災教育・研究に ~

   

阪神・淡路大震災の発生から、四半世紀が過ぎようとしています。

 

1995年1月17日、淡路島北部を震源とするマグニチュード7.3の直下型地震が関西地方を襲いました。兵庫県南部地震、すなわち阪神・淡路大震災は、社会的経済的な諸機能が集積する大都市を直撃し、たくさんの尊い命や都市機能を奪いました。多くの人々が悲しみと苦しみを経験しました。

 

25年たった今では、過去に大地震で、まるで終戦直後の焼け跡のように壊滅した町があったとは思われません。

 

 

戦後初となる大都市直下型地震でした。地震発生直後からほぼ同時に、各地域で35件の火災が発生し、木造住宅が密集した地区は次々と延焼しました。長田区では地震発生直後からのべ3日間も燃え続けました。

 

消防車は、大渋滞と、市内各地で同時多発的に発生した火災で道路が寸断され、現場到着にかなりの時間を要しました。また、水道配管が寸断され、停電も加わって、ほとんどの消火栓が使用不能状態でした。他の消防署からも多くの支援がありましたが、それでも部隊を投入できない火災現場を抱え、結果的に約100万平方メートルが消失しました。

 

また、阪神・淡路大震災の犠牲者の約8割が住宅・建築物の倒壊に巻き込まれての窒息死、圧死でした。倒壊した木造家屋は、第二次世界大戦で焼け残ったものが多く、建物構造がかなり疲労していたことも原因のひとつでした。

 

地震に対して強固だと言われた鉄筋コンクリート造の建物も崩壊しました。倒壊した建物が市内の幹線道路や支線を塞ぎ、道路交通網を破壊しました。

 

このような中、倒壊した家屋等の下に閉じ込められた人々の探索・救助や、100名ほどの住民が協力したバケツリレーなど、「共助」の姿を見ることができました。また、企業内井戸や、井戸を保有する家庭から水を提供されることもありました。さらに全国各地からの救援物資や義援金、ボランティアの人たちの姿もありました。1995年は「ボランティア元年」となりました。

 

 


当時はなぜか、「関西には地震がない」という通説があり、多くの人たちがそう思い込んで油断をしていました。この災害で、まずは自分を守るという、「自助」の考え方も認識するようになりました。

 

これを契機とし、様々な分野における防災対策の充実・強化がはかられ、このときの経験による教訓を折に触れて活かしてきました。「自助・共助・公助」の考え方と、「協働のまちづくり」によって、豊かで快適な災害に強いまちづくりを進めてきました。

 

阪神・淡路大震災被災地の、講演、学校や商店街等には、自治体や個人・団体などにより、たくさんの震災モニュメントが建立されています。ここには、犠牲となられた方々の慰霊を、市民への励まし、連帯による復興の意義があらわされています。

 

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今回、改めて、当社が阪神・淡路大震災直後に撮影した写真を公開します。阪神・淡路大震災からの教訓を忘れることなく、防災・減災のための教育・研究などにお使いいただくことを期待しています。

 

 

●長田地区(1995年1月20日撮影)
 ブロックごと焼失したあとが複数残る。長田消防署前や新湊川沿いにたくさんの消防車両が見える。左下JR鷹取駅付近・右上神戸高速鉄道高速長田駅付近。

高解像度画像(7.36MB)

 

●阪神高速道路3号(1995年1月17日10時8分頃撮影)
 神戸線深江地区~打出地区。 阪神高速道路では3号神戸線で635mにわたって倒壊、4か所で落橋した。学校の校庭に避難している人々も見える。

高解像度画像(5.75MB)

 

●湾岸線(1995年1月17本11時47分頃撮影)
 地震動や地盤の液状化による噴砂・噴水と亀裂が見える。  

高解像度画像(4.92MB)

 

注:これらの画像は、1995年に編纂したアルバムから、簡易的に接合した写真で、正確な位置座標を保持しているものではありません。また、撮影方向に繋げたもので、上が北ではありません。 引用にはクレジットとURLを記載してください。 (c)アジア航測 https://www.ajiko.co.jp/yomimono/index202001.html


アジア航測は、人々の安全・安心な暮らしを実現するため、今後も緊急時に際し、情報の収集と提供を積極的に行って参ります。

2020年1月17日作成

 
 
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