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  夏休み特集 トンボ博士にきく!

自然をみる、人のくらしをみる、自然と人のかかわりをみる

   
アジア航測には、一般の「カイシャ」という視点から見ると、不思議な専門をもつ社員がいます。
それは、当社にとって重要な事業の一部を担っています。
今回は、トンボとその生育環境、つまりは地球を愛してやまない、CSR推進室長の松沢孝晋が市の生涯学習などで講演しているトンボの話をほんの少しだけ、ご紹介します。

【トンボが羽ばたくきれいな水環境へ】
古代、日本は秋津島と呼ばれていました。古事記には「大倭豊秋津島」(おおやまととよあきつしま)、日本書紀には「大日本豊秋津洲」(おおやまととよあきつしま)と記されて
います。秋津とはトンボのこと。秋津島は蜻蛉(トンボ)島ともよばれています。
トンボは日本の水田耕作に適応して繁殖しているものが多くいます。弥生時代の銅鐸にもトンボの姿が描かれています。
日本の文化の中にトンボは浸透しているのです。
しかし、最近、日本の赤とんぼが激減しています。
トンボの生態がわかれば環境がわかる。トンボの生態と環境の関係を考えて見ます。

【トンボってどんな昆虫?】
昆虫とは、6本足頭・胸・腹に分かれています。小学校の理科で習いましたね。昆虫は、地球上の全動物種の75%以上を占めています。日本には3万種の昆虫が生息して
いるとされていますが、実際には10万種以上になるかもしれません。トンボも昆虫のなかの1つのグループです。
日本には約200種類のトンボがいます。世界のトンボの種類は約5,000種類で、インドネシアは673種、中国は485種とかなり多いのですが、日本も、同じ緯度のヨーロッパの
国にくらべると、かなり多いと言えます。
     
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生物を形や系統で分けていくことを「分類」といいますが、トンボ分類の基本は翅の形と複眼のつき方になります。
最近ではDNAを利用した分類が進められています。
【トンボの生態と環境の関係】
トンボは水辺環境の指標種と言われています。なぜでしょうか?
ここでは3つの視点から考えて見ます。
視点の一つ目は、トンボの産卵方法の違いで生息する環境が異なるということです。視点のふたつめは、トンボは成虫になってからも未熟な期間があるということです。
   
トンボはさまざまな水辺環境がそろってこそ、生息することができるいきものです。
すなわち、餌を採ったり、休息するための環境、未熟成虫(みじゅくせいちゅう)の生息環境、探雌(たんし)行動や交尾(こうび)の環境、発生環境(はっせいかんきょう)、
産卵環境(さんらんかんきょう)。トンボが多いということは、トンボが生きていくために必要なハビタット(生息地)が多いということを意味しています。

【気候変化とトンボの関係】
近年、南方系のトンボが北上している傾向が見られます。奄美大島などに生息する熱帯系のトンボが生物分布境界を越え、九州付近で観察されるようになってきました。
たとえばベニトンボやアオビタイトンボです。1980年代は沖縄や奄美大島でしかみられなかったものが、2000年以降には九州本土でも見られるようになったという記録が
あります。
また、アキアカネの減少は気候ではなく、農薬! 育苗箱に施用する殺虫剤が原因のようです。私がアキアカネの減少を実感しはじめたのはここ10年くらい。
20年くらい前に「アキアカネが減っている」と聞いたときは「まさかアキアカネが。。。。。うそでしょう~」と思いました。
ここ20年くらい、毎年京都府の日本海側(久美浜町、網野町)にアカトンボ調査に行っていますが、ここ5年くらいの間で実感できるほどにアキアカネは減少しています。
多くのトンボが飛び交う里山や豊かな水辺環境は、ぜひ次世代に引き継いでいきたいものです。
 
名古屋市熱田生涯学習センターの公開講座のようす




 
トンボは環境に翻弄され生活しています。
環境は人間の生活に翻弄され変化します。
自然をみる、
人のくらしをみる、
自然と人のかかわりをみる・・・・・・



トンボからいろんなものが見えてくる。
トンボ道は奥が深い。
がんばろう

 
<おまけ>
 
トンボを上手く採る方法
①飛んでるトンボは後ろから網で
②止まっているトンボは横から、あるいは上から網をかぶせる
③産卵しているトンボは上から網をかぶせる
④パトロールしているトンボは待ちぶせで
⑤ヤンマ類は夕方や早朝の黄昏(たそがれ)時がねらい目
 
 
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