NEWS

「平成16年(2004年)新潟県中越地震」災害状況(2004年10月23日)

「新潟県中越地震」災害状況

(2004年10月25日作成・12月2日更新 ver.6.0)
写真-21,22追加しました。. レーザ計測結果QTVR画像追加しました。

平成16年10月23日17時56分、新潟県中越地方で震度6強の地震があり、その後もたびたび規模の大きな余震が発生しました。この地震により、小千谷市・山古志村・川口町・長岡市・堀之内町などでは、大きなゆれや地すべり・斜面崩壊により、住宅や道路・鉄道・河川施設などで大きな災害が発生しました。10月25日現在で、23名の死者や2000名以上の負傷者が出ています。アジア航測では災害実態の把握や、防災対策検討のために、10月24日に緊急撮影を、28日に航空レーザ計測を行いました。以下にその一部を紹介いたします。
メニュー クリックすると当該ページにジャンプします
3D地形表示NEW
レーザ計測NEW
撮影範囲位置図
標定図
DMC(デジタル航空カメラ)
垂直写真
斜め写真(速報)
斜め写真(高解像度)
レーザ計測
10月28日に、緊急航空レーザ測量を実施しました。航空レーザ測量では、樹木の影響を排除した精密な地形データを得ることができます。ここでは、作成した1mDEMをもとに赤色立体地図などに加工しました。 5m間隔の等高線も重ねてあり、微地形を容易に立体的に把握することができます。
レーザ地図-1 山古志村梶金地すべり赤色立体地図 幅約500m、長さ約600mの大きさ、北西から南東方向にすべり落ちている。
写真-21 ほぼ同じ範囲の垂直空中写真
レーザ地図-2 山古志村梶金地すべり地形変化量図 地震発生前の地形との比較。発生前地形データとしてGISMAP Terrain(北海道地図)の10mDEMを使用した。 背景の陰影は1mDEMから作成した。
 おおきな三日月型の青色の部分の左上縁が滑落崖の位置となる。
レーザ地図-3 山古志村梶金地すべり立体化DMCオルソ画像 DMC(デジタル航空カメラ)オルソ画像を作成し、レーザ測量結果のDEMをもとに特殊な画像補正を行い立体化処理をしたもの。
1枚の画像で地形を立体的に把握、ある程度の判読をすることができる。 
レーザ地図-4 芋川流域の赤色立体地図(10%サイズ) 芋川流域では、多数の土砂崩壊や地すべりが発生した。それらの大地形と微地形 は、この1枚の赤色立体地図で同時に把握することが可能である。この図を見ると複数の地点で河道が閉塞され、上流側に湖が生成されているのがわかる。このDEMデータが取得された28日段階ではまだ小規模である。(20%サイズへ
地形の3D表示例(山古志村梶金地すべり)
マウス操作によって、地すべり地形を回転させ、様々な方向から立体的に検討することができます。 QTVRを使用していますので、見るためにはQuick timeプラグインが必要です。マウスを下方向にドラッグするとより俯瞰の程度が大きくなり最大で垂直、反対に上方向に動かすとより低い角度からの俯瞰になります。左右にドラッグすると対象がその方向に回転します。shiftでスームアップ、ctrlでズームダウンができます。
QuickTime、QuickTimeロゴは、米国およびその他の国で登録されている Apple Computer, Inc.の商標です。Get QuickTimeバッジはApple Computer Inc.の商標であり、同社の許可により使用しています。
QTVR-1 オルソ画像(6Mb) DMC(デジタル航空カメラ)のオルソ画像を、レーザ計測による1mDEMによって立体化させたもの。
QTVR-2 赤色立体地図(6Mb) レーザ計測による1mDEMから作成した赤色立体地図画像を、同じDEMによって立体化させたもの。
QTVR-3 オルソ画像と赤色立体地図(12Mb) オルソ画像と赤色立体地図画像を同期表示している。両者を対比させながらみることにより、状況把握がしやすくなる。
DMC(デジタル航空カメラ) 2004年10月24日撮影   
デジタルカメラは、従来のアナログ空中写真より、同一の撮影高度で高解像度で階調幅の広い画像*が得られます。ここでは、対地高度1200mから撮影された写真を部分拡大し、最大解像度の画像を示します。被害状況の把握をより精密に行うことが可能です。*たとえば、印画紙ではつぶれてしまう影の部分も、見えるように補正することが容易
DMC-1 川口町大字相川付近  信濃川沿いの斜面に発生した崩壊によりJR上越線の路盤が流失した。線路が宙吊りになっているのが判読できる。
DMC-2 山古志村梶金地区  地すべり性の斜面崩壊による被害状況のクローズアップ
DMC-3 山古志村虫亀地区  崩壊により養殖池が決壊し、水が完全に失われている。流下した土砂が住宅と道路を押し流した。写真-6の手持ち斜め写真と同じ位置。
DMC-4 山古志村虫亀地区  地すべり地特有の棚田上には、多数の養殖池が作られている。この写真を見ると、そのほとんどに水は残っていないことがわかる。地震による振動であふれ出たか、土手の決壊で流出した可能性がある。写真-6の対岸。
DMC-5 山古志村寺野地区 地すべり崩壊によって川が堰き止められて、小規模な天然ダムが形成されている。水面にはさまざまな浮遊物がみられる。写真上方が上流側。
位置図
図-1 垂直写真およびDMC撮影範囲概略図 垂直写真撮影範囲:緑枠灰色 DMC撮影範囲:赤枠黄色範囲 背景の地形図は「国土地理院の2004年新潟県中越地震災害状況図(第2報)」を許可を得て使用した。
また、地形を立体的に示すために、国土地理院の数値地図50mのデータを基に作成した 赤色立体地図を重ねた。
斜め写真 2004年10月24日手持ちデジタルカメラにて撮影   
写真-1 関越自動車道の被害 堀之内町 ボックスカルバートの抜け上がりと盛土崩壊により道路陥没が生じ、通行不能となっている。[垂直ステレオ写真-10]
写真-2 長岡市竹之高地町斜面崩壊 ヘアピンカーブの部分で地すべり性崩壊が生じている。
写真-3 小千谷市小栗山地すべり性崩壊 崩壊によりため池が決壊し、水が完全に失われている。流下した土砂が住宅と道路に流れ込んでいる。
写真-4 小千谷市川井信濃川本流沿い崩壊 信濃川に沿う道路沿いの斜面で崩壊が発生、道路ごと川にすべり落ちている。
写真-5 山古志村虫亀上空より北方向 多数の崩壊や地すべりが発生している状況が確認できる。
写真-6 山古志村虫亀 崩壊によりため池が決壊し、水が完全に失われている。流下した土砂が住宅と道路を押し流した。[ステレオ画像 写真-7]
垂直写真 2004年10月24日 RC-30 飛行高度約2300m  
写真-8 山古志村東竹沢付近垂直写真 地すべりや斜面崩壊が集中的に発生、道路が各所で寸断されている。従来より、地すべり地形が多数分布していることが知られていた。
写真-9 小千谷市梶金 土留川にそって多数の崩壊が発生、道路は通行不能となっている。右側の図は、国土地理院1/25,000地形図「小平尾」を使用した。
写真-12 小千谷市岩野の液状化被害状況 地震時液状化による噴砂が直線状・格子状に分布している。左が北方向[拡大写真-12b]
直角格子状のパターンは、ほ場整備前の水田の区画を反映したもの。
写真-18 長岡市越路町本条の液状化被害状況NEW 地震時液状化による噴砂が不規則に分布している。噴砂が集中する範囲がある幅をもって蛇行しているように見える。立体的に見えるように回転したため、写真の上がほぼ南方向。
高解像度斜め写真 2004年10月24日 青字は管理番号 
写真-13 山古志村桂谷羽黒山西斜面崩壊 (C-8)  崩壊は、羽黒山山頂直下から発生した。崩壊土砂が羽黒山トンネルの西側坑口付近を埋めている。[垂直ステレオ写真-11]に示した。
写真-14 山古志村木籠斜面崩壊 (C-12) 尾根付近で発生した崩壊土砂が道路を越え、住宅に達している。崖には水平の地層が見られる。
写真-15 山古志村虫亀斜面崩壊 (A-2) 崩壊によりため池(養殖池?)が決壊し、水が完全に失われている。流下した土砂が道路を越えて沢に到達している。写真-6,7と同じ地点。
写真-16 広神村一ッ峰沢付近の地すべり (B-9)  直線状の滑落崖が小さな尾根を横断するように伸びている。樹木の様子からは、すべり落ちたブロックはほとんど変形をしていないように見える。 [ステレオ写真-16b]
写真-17 小千谷市浦柄白岩付近 (D-1) 信濃川沿いの県道の背後の斜面が崩壊、川に並行する道路橋をを巻き込み河原に巨大なブロックとなって堆積した。おりから通行中の車が巻き込まれる災害も生じている。[さらに拡大 写真-17b]
写真-19 山古志村梶金付近の崩壊 NEW 尾根からほとんど垂直にえぐられるように崩壊している。崖下での崩壊土砂の堆積はわずかで、大半の土砂は泥流状態で斜面下方向(下流側)に移動し、土留川に達した。[別角度からの写真-19b]
写真-20 山古志村寺野地区の地すべり NEW 地すべり土塊の移動により芋川の可道が閉塞された。川の流れが塞き止められ、手前(上流側)にたまり始めている。この地点の垂直写真はDMC-5に掲載。
写真-22 小千谷市朝日山西斜面の地すべり NEW 3つの地すべりが複合的に発生している。送電線の鉄塔が倒壊している。
空中写真標定図 垂直黄色丸が主点
標定図-1 小千谷市、山古志村付近
背景の地形図は国土地理院発行の1/25,000地形図「長岡」「栃尾」「片貝」「半蔵金」「小千谷」「小平尾」を使用した。
標定図-2 
背景の地形図は国土地理院発行の1/25,000地形図「長岡」「栃尾」「与坂」「見附」「寺泊」「三条」を使用した。
標定図-3
背景の地形図は国土地理院発行の1/25,000地形図「栃尾」「栃堀」を使用した。
標定図-4
背景の地形図は国土地理院発行の1/25,000地形図「小出」「五日町」を使用した。
標定図-5 DMC
背景の地形図は国土地理院発行の1/25,000地形図「長岡」「栃尾」「片貝」「半蔵金」「小千谷」「小平尾」を使用した。
■ 本ページについて

このページでは、弊社による自主撮影結果を掲載しております。現在の状況把握や今後の防災対応等の資料としてご活用いただき、現地の復旧にお役に立てれば幸いです。

本ページで紹介している画像は、撮影した斜め空中写真の一部を、サイズを縮小して掲載しています。斜め空中写真のオリジナル画像やデータに関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

【お問い合わせ先】

■報道関係の方はこちらへ

 アジア航測株式会社 経営企画部 TEL:044-969-7290
           E-mail:service@ajiko.co.jp

■行政・研究機関・企業のお客様ははこちらへ

 アジア航測株式会社 営業統括部
   〒215-0004 神奈川県川崎市麻生区万福寺1‐2‐2 新百合トウェンティワン
   TEL:044-969-7549 FAX:044-951-3259
   E-mail:service@ajiko.co.jp

■ 当ページ掲載写真の二次利用について

下記の要領で、災害写真の使用許諾申請書をFAX、郵便、または電子メールにてお送りください。
審査のうえ、許可書をお送りいたします。

  • 使用の目的・形態によって使用料金を申し受ける場合がございます。
  • 無許可もしくは申請の内容に違反した場合には、許諾の取り消しや損害賠償を請求することがございます。
  • 使用の際、必ず「撮影:アジア航測(株)」と明記してください。
  • 使用した形態(現物、コピー、写真、ホームページアドレスなど)が分かるものをアジア航測に送付ください。

※弊社ホームページ掲載画像以外の高解像度データまたは焼き増しした写真をご提供する場合は別料金となります。

【送付先】

アジア航測株式会社 営業統括部(災害写真担当)
〒215-0004 神奈川県川崎市麻生区万福寺1-2-2 新百合トウェンティワン
  FAX:044-951-3259
  E-mail:service@ajiko.co.jp

■ 著作権について

本ページで公開している文書および画像の著作権は、下記を除き、すべてアジア航測株式会社に帰属します。 本ページで得られた情報について許可なく、転載、販売、出版、公開をしないでください。

■ 免責事項について

弊社では、本ページの作成にあたり、細心の注意を払い正確な情報提供を心がけておりますが、 その内容の正確性・妥当性については一切責任を負いません。掲載されている情報の内容が 明らかに間違っている場合は、訂正・削除致しますので上記までご連絡ください。



お問い合わせ
ページトップへ

オンライン商談はこちら