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「平成21年7月中国・九州北部豪雨」災害状況(2009年7月)

平成21年7月中国・九州北部豪雨災害

 平成21(2009)年7月21日、梅雨前線に伴う豪雨により、中国地方を中心に広い範囲で土砂災害が発生しました。特に山口県防府市を中心とする地域では、斜面崩壊・土石流・洪水氾濫などの災害が発生しました。また、平成21(2009)年7月26日には、九州の福岡を中心とする地域で、豪雨による土砂災害が発生しました
 弊社では、これらの災害の実態を明らかにするために、7月22日に山口県防府市付近の斜め写真撮影、23日に航空レーザ計測と垂直写真撮影、28日に福岡で斜め撮影とレーザ計測を行いました。現在、判読や解析作業を鋭意進めているところです。このページでは、その成果の一部を、順次紹介します。
 被害状況把握等の資料としてご活用いただき、一日も早い復旧・復興にお役に立てれば幸いです。
 また、今回の土砂災害で亡くなられた方に謹んで哀悼の意を表するとともに、負傷あるいは被災された皆様の一日も早い回復をお祈りいたします。
 本ページで紹介した画像は、サイズの関係で縮小しています。オリジナル画像やデータに関するお問い合わせは、下のお問合せ先までお願いいたします。

ver 2.50

2009/07/29 更新(九州地区斜め写真および判読図掲載)
2009/07/28 更新(デジカメ垂直写真掲載)
2009/07/28 更新(判読による土砂移動分布図掲載)
2009/07/25 更新(DSM赤色画像・オルソ画像サンプル掲載)
2009/07/25 更新(レーザ計測位置図掲載)
2009/07/22 更新(KMZファイル掲載)
2009/07/22 作成(斜め写真掲載)

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⇒使用許諾申請書のダウンロード

■斜め写真 2009年7月28日撮影 (福岡県福智町・篠栗町・筑紫野市)   

図-3.1 斜め写真撮影地点図

概略の撮影地点を示します。

図-3.2 筑紫野市山家地区崩壊および土石流判読図

斜め写真を判読して、1/2.5万地形図上で作成したものです。

背景図として、国土地理院のCD-ROM版数値地図1/25,000(画像)を使用しました。

図-3.3 篠栗町篠栗地区崩壊および土石流判読図

斜め写真を判読して、1/2.5万地形図上で作成したものです。

背景図として、国土地理院のCD-ROM版数値地図1/25,000(画像)を使用しました。

図-3.4 福智町弁城地区崩壊および土石流判読図

斜め写真を判読して、1/2.5万地形図上で作成したものです。

背景図として、国土地理院のCD-ROM版数値地図1/25,000(画像)を使用しました。

写真-2459 福智町弁城の斜面崩壊(南西より撮影)

斜面中腹で斜面崩壊が発生し、土砂によって民家が破壊され、大きな被害がでました。
写真-2457 福智町弁城の斜面崩壊(西より撮影)

比較的、幅が広くて浅い崩壊であることがわかります。

写真-2485 篠栗町篠栗の斜面崩壊

多数の崩壊が発生しているが、大部分の土砂は渓床で停止しています。(2486の周辺)
写真-2486 篠栗町篠栗の斜面崩壊(部分拡大)

この地点では、崩壊が3か所で発生し、合流するように急勾配の渓床を流下した。崩壊土砂は、住宅に到達し、大きな被害があった。
写真-2505 筑紫野市山家の水田被害

棚田で連鎖的な小規模崩壊がみられる。
■航空レーザ 2009年7月23日計測 (山口県山口市・防府市)   
図-2.1 航空レーザ計測およびデジカメ(垂直)撮影位置図

図中のピンク数字がコース番号、黒数字が写真番号と対応しています

淡いDSM赤色立体地図の範囲がデータ取得範囲です


背景図として、国土地理院のCD-ROM版数値地図1/25,000(画像)を使用しました。

図-2.2 2009年7月山口県防府市豪雨災害土砂移動範囲図

2009年7月27日版 (GISポリゴンバージョン2.0)

⇒詳細版(サイズ注意3M)

図-2.1 の範囲の航空レーザ計測による1mDSM赤色立体地図および垂直写真からの判読。

*撮影範囲(黒枠)外の土石流および洪水氾濫の影響範囲は、現段階では示していません

 

図-2.3 防府市真尾付近DSM赤色立体地図

ライフケア高砂に流入した土石流の範囲を黄色で囲んだ。緑色の破線で示したのは一の瀬堰堤

DSM(Digital Surface Model)は、植生除去前の「ファーストパルス」データから作成した”地表面”のデータ。

土石流の流れた範囲は、植生破壊により、溝の底に土石流が堆積しているように表現されています。

 

図-2.4 防府市真尾付近立体化オルソ画像(50%縮小)

ライフケア高砂に流入した土石流の状況を把握するために、立体化オルソ画像を作成した。立体化オルソ画像により影の影響が軽減されて、判読しやすくなっています。(図-2.3と図2.5から作成)

北西南東方向に伸びる尾根の北斜面で発生した土石流が、支流からの土石流と合流しながら流下している様子がわかります。

図-2.5 防府市真尾付近オルソフォト(部分拡大50%縮小)

ライフケア高砂に流入した土石流の状況を把握するために、オルソ画像を作成しました。

図-2.6 防府市真尾ライフケア高砂付近アナグリフ画像

ライフケア高砂に流入した土石流の状況を把握するために、垂直写真よりアナグリフ画像を作成しました。7月23日撮影。

(アナグリフ用(赤青)眼鏡により立体視可能)

■垂直写真(レーザ計測用デジカメ画像) 2009年7月23日撮影(山口県山口市・防府市)
図-3.1 垂直写真撮影位置図

図中の番号が写真番号と対応しています。


(基図は、国土地理院のCD-ROM版数値地図1/25,000(画像)と基盤地図情報10mDEMから作成した赤色立体地図を合成)

写真-C2-005 「ライフケア高砂」背後渓流における土石流発生状況

土石流は、渓流に沿って流下しています。渓流途中にある狭窄部から上流側には、直径が2m以上の礫が確認できます。(防府市真尾)
写真-C3-008 田の口地区背後渓流の表層崩壊状況

流域の上流部で斜面崩壊が多発しています。土石流は谷の出口付近で幅が広がり、樹木の下を通過して集落に達しています。(防府市上右田)
写真-C4-006 佐波川支流、剣川上流部の表層崩壊状況

流域の広範囲で斜面崩壊が発生しています。河床部分には堰堤が施工されており土砂を捕捉していますが、堰堤が施工されていない下流部の支流で発生した表層崩壊に伴う土石流が、集落に向かって流下しています。(防府市下右田~上右田)
写真-C5-005 剣川下流部の氾濫状況

剣川中~上流部で発生した土石流が国道262号沿いや剣川を流下し、下流の平野部で氾濫・浸水が発生しています。(防府市高井~下右田)
写真-C5-009 剣川中流部の表層崩壊および土石流発生状況

剣川の流路と国道262号は、南北に伸びた谷を並行して通過しています。剣川の支流で発生した土石流が、集落や国道262号まで達していますが、西側(写真左側)の支流で発生した土石流は、堰堤により大部分が捕捉されています。(防府市高井~下右田)
写真-C5-011 佐波山トンネル付近の表層崩壊

防府市と山口市の境界となる国道262号の佐波山トンネル付近では、比較的表層崩壊は少ないですが、切土斜面に作られた防府市斎場(写真中央やや左側)背後の渓流から土砂が流出し、斎場周辺部に堆積しているのが分かります。(防府市高井~下右田、山口市下小鯖)
写真-C5-013 国道262号周辺での土砂流出

写真中央部を通過する国道262号の東側(写真右側)には工業団地が、西側(写真左側)には住宅地が造られています。工業団地東側にある渓流から、土砂が工業団地内に流入し、住宅地の背後にある渓流からも土砂が流出しています。(山口市下小鯖)
写真-C7-002 防府西高校付近の表層崩壊

防府西高校の東側斜面で発生した表層崩壊に伴う土砂が、高校のグラウンドに流入しています。(防府市台道)
写真-C8-005 佐波川支流、松ヶ谷川での土石流発生状況

佐波川支流の松ヶ谷川(写真左側の渓流)では土石流が発生し、住宅地に被害を及ぼしていますが、東隣(写真中央部)の大井谷川では、規模の大きな土石流は発生していません。(防府市奈美)
写真-C9-003 稔畑地区での土石流発生状況

山口市下小鯖の稔畑地区では、山口市内を流れる椹野川の支流にあたる渓流で土石流が発生し、建物や耕作地に被害が及んでいます。(山口市下小鯖)
■斜め写真 2009年7月22日撮影 (山口県山口市・防府市)   
図-1.1 斜め写真撮影位置図

図中の番号が写真番号と対応しています。

矢印は撮影方向を意味しています。


(基図は、国土地理院のCD-ROM版数値地図1/25,000(画像)と基盤地図情報10mDEMから作成した赤色立体地図を合成)

図-1.2 写真撮影位置図(暫定版)

図中の番号が写真番号と対応しています。

矢印は撮影方向を意味しています。


(基図は、国土地理院の基盤地図情報10mDEMから作成した鳥瞰画像)

図-1.3 GoogleEarthによる情報提供 GoogleEarthに基盤地図の10mメッシュから作成した赤色立体地図を追加しました。 GoogleEarthがインストールされているPCで以下のkmzファイルを開いてください。
⇒斜め写真kmzファイル(20090723版)

カメラアイコンをダブルクリックすると、斜め写真を撮影アングルに合わせて表示します。
(赤色立体地図はサーバー上に分割して格納されています。マシンスペックや接続速度の関係で、動作が遅くなる場合があります。そのようなときは、赤色立体地図のレイヤをOFFにすることをお勧めします。)
写真-01 背後山地で発生した土石流が水田に流入

防府市奈美(SI1-2360)
写真-02 写真-01内の渓流を正面から撮影

防府市奈美(SI1-2363)
写真-03 ライフケア高砂の東側斜面で発生した土石流

防府市真尾(SI1-2348)
写真-04 写真-03の拡大

防府市真尾(SI1-2343)

反対側から俯瞰した写真(SI1-2347)

写真-05

写真-03の拡大

 

防府市真尾(SI1-2344)

オリジナルサイズの画像(SI1-2345)
写真-06 真尾地区、大歳神社西方の土石流

防府市真尾(SI1-2350)
写真-07 国道262号佐波山トンネルの山口市側坑口付近の斜面崩壊

山口市下小鯖(SI1-2429)
写真-08 防府市斎場への取り付け道路付近で発生した土石流

防府市高井(SI1-2428)
写真-09 国道262号佐波山トンネルの防府市側坑口南側の土石流

防府市下右田(SI1-2416)
写真-10 国道262号と新幹線との交差部から北へ約1km地点で発生した土石流

防府市高井・下右田(SI1-2425)
写真-11 写真-10地点を東側から撮影

防府市高井・下右田(SI1-2413)
写真-12 写真-10地点を西側から撮影

防府市高井・下右田(SI1-2421)
写真-13 写真-10地点を西側から撮影

防府市高井・下右田(SI1-2396)
写真-14 写真-13地点の拡大写真

防府市高井・下右田(SI1-2422)
写真-15 国道262号の防府市街地側での土砂流出状況

防府市高井・下右田(SI1-2403)
写真-16 山口市上小鯖地区と防府市大崎地区付近の丘陵部で多発している表層崩壊

山口市上小鯖(SI1-2435)
写真-17 防府西高校の東側(写真奥側)で発生した斜面崩壊(土砂がグランドに流入)

防府市台道(SI1-2447)



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