サステナビリティ
TCFD提言に基づく情報開示
1.TCFD提言に基づく情報開示
アジア航測グループ(以下、当社グループ)は、2021年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同を表明し、2023年5月には気候変動影響に関するリスクと機会について、TCFDが提言するフレームワークに基づき情報を開示しました。今回はシナリオ分析をさらに進め、財務インパクトも含めた情報を開示します。
2.ガバナンス
当社グループは、「空間情報技術で社会をつなぎ、地球の未来を創造する」を10年間の企業ビジョンとすることを2023年10月に策定した「長期ビジョン2033」並びに「中期経営計画2026」(以下、本中期経営計画)で定めています。前中期経営計画で定めた「SDGs経営」の思想を引き継ぎながら、本中期経営計画では「サステナブル経営」の実行ための企業マネジメント戦略を策定し、あらゆる事業の基盤にすることを定めています。また、環境省より2012年に認定を受けた「エコ・ファースト」企業として、「脱炭素社会への移行に向けた貢献」を約束していることや、経済産業省が主導するGXリーグに2022年より参画し、GHG排出量や削減目標を開示するなど、カーボンニュートラル実現に向けた社会変革に積極的に参加しています。
当社グループは、気候変動に伴う事業環境への影響をモニタリングする制度として脱炭素推進委員会を設置し、中長期戦略の検討、リスク管理及び施策の面から各部会で取り組み(図1参照)、経営の意思決定と直結させながら継続的に運営を行っています。また、重要事項については経営戦略会議にて適宜審議し、取締役会へ報告しています。
3.戦略
当社グループはシナリオ分析において、以下の①~③に示す想定等を基に、気候変動に伴い発生するリスクと機会の洗い出しを実施し、影響が生じる時期や財務インパクトに関する分析を進めました。
①想定したシナリオ
[参照した主なシナリオ]
1.5℃シナリオ:
-国際エネルギー機関(IEA)「世界エネルギー見通し2023年版」(WEO 2023)、NZE(ネット・ゼロシナリオ)
-気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)第4版、 Orderly Net Zero 20504℃シナリオ:
-国際エネルギー機関(IEA)「世界エネルギー見通し2023年版」(WEO 2023)、STEPS(公表政策シナリオ)
-気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)第4版、 Hot house world Current Policies
-気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書、RCP8.5
②影響が生じる時期
③財務インパクトの影響度
④気候関連の主要なリスクと機会
当社グループが認識する主要なリスクと機会および財務インパクト、リスクと機会への対応策について、以下のとおり整理しています。なお、財務影響に関し、移行リスク・機会については2030年時点、物理的リスクついては2050年時点をそれぞれ想定しています。
4.リスク管理
当社グループは、「リスク管理規定」に基づいてリスクの把握と分析評価を行っており、半期ごとにグループ内で発生したリスク事象の把握と、再発防止・軽減のための対策について、経営戦略会議にて審議し、取締役会へ報告しています。
また、気候変動に関連するリスクについては、脱炭素推進委員会の各部会にて、定期的にその洗い出しや軽減策の検討、モニタリングを行いながら、脱炭素委員会における議論を踏まえて、経営戦略会議及び取締役会へ報告する運用としています。
5.指標と目標
当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するため、GHG排出量の指標を定めています。GHG排出量管理や目標設定として、当社グループは2024年1月には、SBT(Science Based Targets)の認定を受けており、Scope1~3について表5に示す排出削減目標を設定しています。削減目標達成に向けて、サプライチェーン全体での排出量削減に向けた取り組みを推進します。
なお、当社グループの2020年(第73期)~2023年(第76期)のGHG排出量算定結果は、一般社団法人日本能率協会地球温暖化対策センターによる第三者検証によって、当社グループの排出量管理がGHGプロトコルに沿った手順にあることの限定保証を受けています。
目標に対する直近年(2023年度)の実績としては、Scope1,2の排出量を8.5%削減しました。Scope3ではサプライヤーエンゲージメント目標の達成に向けて、各協力会社へのヒアリング等を通じて、サプライチェーンの現状把握とエンゲージメント構築に向けて取り組んでいます。
■ TCFD提言に基づく情報開示 (pdf・424KB)