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<報道発表資料>新沢千塚古墳群赤色立体地図の作成
<報道発表資料>新沢千塚古墳群赤色立体地図の作成
奈良県立橿原考古学研究所
アジア航測株式会社
昨年度の大型古墳の赤色立体地図作成の成果をもとに、今回いわゆる群集墳と呼ばれる小規模古墳の群集する姿の赤色立体地図化を試みた。そしてその試みには以前に測量が実施されている新沢千塚古墳群を選定した。
新沢千塚古墳群は、奈良盆地の南部、橿原市川西町、鳥屋町、北越智町に位置する小丘陵状に密集するように築造されている。この古墳群は、4世紀後半から6世紀中頃の直径10mから15mの円墳を中心に前方後円墳や方墳を含む約600基あまりが築造されている。1960年代の初めに日本政府の農業生産拡大政策から古墳を守るべく約130基の古墳が発掘された。この発掘調査をとおして小規模古墳の群構造や築造過程、さらに大陸から持たらされた副葬品の存在が明らかになった。その結果、ほとんど古墳群全体にあたる124,427m2が1976年(昭和51年)国史跡に指定された。
このような古墳群に2011年3月10日3次元航空レーザ計測をヘリコプターを用いて実施した。飛行高度は500m、飛行速度時速70kmであった。レーザの出力パルスレートは180KHzであった。この計測の飛行は古墳群上空を北西-南東方向に、平行に7回実施した。そしてこの計測ではレーザを1秒間に18万回発射し、1m2あたり30発以上がデータとして記録できた。このレーザは、直接的には人体への影響はない。
その結果、小規模古墳の密集する新沢千塚古墳群においても大規模古墳同様に明瞭な墳丘情報を入手でき、各古墳の立地を明確に視覚化できた。今後、今回得られた情報を加工することによって築造工程を順序立て表現することにより、古墳築造に関わる空間利用を考える新たな局面を提供できる。
また、今回の新沢千塚古墳群の赤色立体地図による付加的成果として新たな前方後円墳の発見と新たな墳形の確認がある。
関連リンク
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