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『現場DX』の研究開発~ARによるデジタルツイン作業支援サービス~

アジア航測株式会社(本社:東京新宿区、代表取締役社長:畠山 仁、以下「当社」)は、AR(Augmented Reality/拡張現実)技術を用いた現場調査支援および安全確認サービスを新たに開発し、展開します。

  



■サービス概要

開発中の拡張現実アプリケーションは、拡張現実(AR)技術によって現場作業のDX化を推進することを目的としています。高価なGNSS測位機材を別途用意することなく、スマートフォンやタブレット端末だけで、GISやCAD、3Dモデルなどの地理空間情報をAR表示できるアプリケーションです。本サービスの導入により、現場調査における情報確認効率や、調査地点の探索効率向上の他、工事現場における作業員の安全性向上にご活用いただけます。また、災害シミュレーション結果の可視化により防災教育活動・啓発にもご利用いただけます。当社では、AR技術を3次元空間情報の解析技術と組み合わせて、デジタルツインによる現場作業の安全性向上とDX化に寄与します。


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図1 ARアプリケーションによるGISデータの表示イメージ


■サービスの特徴

⚫︎現場作業における直感的な空間情報の表示

多くの現場作業では、作業者が現地の状況と地図や図面の対応付けを行っており、方向や対象物までの距離の把握能力は作業者の空間把握能力に依存していました。また、洪水時の浸水想定高さなどの防災情報や、空間情報を使用した各種シミュレーションの結果は、通常は主題図や地図上の数値として表示されるため、住民や利用者にとって直感的な把握が困難という課題があります。本アプリによって図面や浸水想定高さなどの空間情報をAR表示したり、調査資料などのPDFファイルに地理座標をあらかじめ設定しておき、その座標の位置にPDFファイルを表示したりすることで、このような課題を改善でき、現場作業における作業効率の改善やコミュニケーションの深化、住民の災害の「自分ごと化」による防災意識の向上などが期待できます。

図2

図2 位置情報と連携したPDFファイルの表示例


⚫︎専用の機材を必要としないAR表示手法を採用

地理座標付きの情報をAR表示する場合、端末の位置と姿勢に基づいて表示することになるため、表示精度は端末搭載センサーの精度や周辺環境に依存します。専用のGNSS機材等を別途用意することにより精度の改善が可能となりますが、コストが高くなり、機材構成も煩雑になります。本アプリでは、専用の機材を使用せずに端末の位置や姿勢を補正する技術を複数種類搭載しており、簡易的に地理座標付きの情報をAR表示できます。

図3図3-1

図3 端末の位置や姿勢の補正の例


⚫︎奥行きを考慮したAR表現や地下埋設物の掘削表現により現実感のある体験を提供

開発したARアプリケーションでは、奥行き感を持つデータ表示が可能であり、ユーザーにリアリティのある体験を提供します。具体的には、建物や土木構造物などの3DオブジェクトをAR表示する場合、3Dオブジェクト周辺の物体や地形データをあらかじめ搭載しておくことにより、奥行きを考慮した3Dオブジェクトの表示が可能となります。表示する3Dオブジェクトの一部が手前の建物の背後に見えるような表現や、山の稜線の奥に3Dオブジェクトが見えるような表現が可能です。この表現により、大型構造物の施工後の景観変化を任意の場所から確認したり、洪水時に想定される状況をリアルに表現したりと、多彩な用途でご活用いただけます。また、地下埋設物を掘削したような表現で可視化することも可能であり、直感的に地下埋設物までの深さや立体構造を把握する用途でもご活用いただけます。

 

【その他の特徴】

・自己位置・姿勢の設定及び補正方法は、正確さを優先する方法や簡便さを優先する方法など、複数の方法を選択可能

・GISやCADファイルなど様々なデータをユーザー自身で容易に搭載できる

・利用場面に応じ柔軟にカスタマイズができる

・特定の用途向けではなく汎用的に作られたアプリケーションのため、様々な場面での利活用が可能


図4 奥行きを考慮したAR表示例


図5 地下埋設物のAR表示例


■主な機能

・  GIS / CAD / 3Dモデル / PDF / 画像表示

・ 自己位置・姿勢の設定及び補正

・ 3D計測(距離または面積計測)

・ 地理座標付き注記(メモ)保存


以 上



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