アジア航測のあゆみ
YEAR1995

阪神・淡路大震災への対応

事業
写真:崩壊した阪神高速3号線(神戸線)
崩壊した阪神高速3号線(神戸線)

 平成7年(1995) 1 月17 日午前5時46分、兵庫県の淡路島北部の地下約16km付近を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生しました。阪神地域の各地が甚大な被害を受ける中、神戸支店の入居していたビルも甚大な被害を受けました。また、西宮技術所では、写真処理機器と付属建物が大きな損害を被りました。幸いにも社員は全員無事でしたが、社員の親族が2名亡くなったほか、60名の社員が住宅被害を受けました。関西地区での業務再開には時間がかかると思われましたが、西宮技術所を拠点とする各グループ会社および協力会社の応援により、既受託業務への影響は最小限とすることができました。
 一方、地震発生後の緊急災害撮影には早急に対応しました。当日の午前9時には対策本部を設置し、その30分後には調布飛行場から高速機ガルフストリーム・コマンダー695型機を含む2機が震災現場に飛び立ちました。撮影終了後、高速機は直ちに調布飛行場へフィルムを空輸、さらに厚木技術所の写真処理部門に運ばれ徹夜で現像・焼付け処理した後、震災翌日の午前7時、新宿本社に写真を届けました。また、当時の建設省と土木研究所にも写真を手渡しました。建設省では1階ロビーに当社提供写真が掲示されました。同時に大阪支店を通じて関西の関係機関にも提供しました。
 この写真がきっかけとなって、全被災地の撮影が行われ、1 月21 日までの5 日間で延べ約2,000㎢、約5,000枚のカラー垂直写真と、約1,000枚の斜め写真を撮影しました。このほか被災地復興に役立てるべく、簡易モザイクや被災状況図、神戸市のデジタルマップにオーバーレイした被災状況写真図を作成しました。また、二次災害を防止する緊急調査のため、六甲地区の渓流危険度調査や砂防堰堤点検、砂防地内 の家屋被害調査、土石流災害対応点検に技術者を派遣しました。
 これらの成果は、建設省はじめ自治体など関係機関で活用されたほか、10誌を超える学術誌や雑誌で紹介されました。さらに、災害復旧・復興ならびに震災解明に向けた学術研究に役立つように、「阪神・淡路大震災航空写真集」を刊行しました。

写真:『阪神・淡路大震災 航空写真集』
『阪神・淡路大震災 航空写真集』
写真:阪神・淡路大震災発生直後に撮影された垂直カラー写真
阪神・淡路大震災発生直後に撮影された垂直カラー写真
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