アジア航測|空間情報コンサルタント

 
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2017年6月のイチオシ

 

砂防河川におけるALB計測に成功しました


アジア航測は、わが国で初めて本格的に砂防河川におけるALB計測(航空レーザ測深)に成功しました。

アジア航測は2016年2月に最新センサーとしてALBを本格導入しましたが、このALB機材は2種類のレーザ光を上空より照射することにより陸地と水部のシームレスな計測が可能なものです。

これまでは主に河川区間や浅瀬の海岸、港湾などの地形把握などに活用してきました。

このたび、ALB機材をヘリコプターにも搭載することによって、砂防構造物周辺の異常洗掘の確認や水域内を含めた土砂移動実態のシームレスな把握など、砂防事業への展開をはかっていくことが可能になりました。



          オルソ画像                            赤色立体地図


今回は、水泡や濁度が少なく、とくに砂防えん堤からの落水による影響の少ない積雪期(3月)を計測時期とし、対地高度は約500m、計測密度は測深点約1点/平方メートルで実施しました。

その結果、これまでの航空レーザ計測では確認できなかった水域内の形状を面的に把握することができました。

特に、澪筋の形成状況、土砂の洗掘・堆積状況、砂防えん堤直下流の洗掘状況など、今後の砂防設備の維持管理や長寿命化、さらには砂防施設計画等の砂防事業に活用できるデータ取得ができるようになりました。

計測河川は急峻な水面の縦断方向に連続して砂防構造物があり、勾配や水面幅の変化が大きいため、区間ごとに水面を推定するパラメータを設定して、段差の無い3次元モデルを作成しました。また、データ取得が難しい白波の立つ砂防構造物周辺の水中地形に対して丁寧なフィルタリング処理を行いました。


このように、アジア航測の持つデータ取得ノウハウの粋を尽くして、急勾配河川での水中計測を可能にしたのです。

今回計測した常願寺川のように、水量が豊富でかつ土砂移動量も多く、毎年の河床変動が著しい急勾配河川は、日本列島の脊梁山脈を中心に北海道から九州まで数多くあります。しかも、そのような河川は標高差が500mから1,000mもある急峻な山々で囲まれており、小型航空機(固定翼)での低空飛行によるALB計測は困難です。

幸い、河川上流域の水質は良好で平常時であれば水量も少なく濁度も低いためALB計測には好都合です。一方で、急流河川の瀬の部分では白波がたち、小滝等の段差部では水泡が多いという悪条件もあります。

今回のALB計測はこれらの様々な課題を一つ一つ克服し、砂防河川でもALB計測が可能なことを実証することに成功しました。

引き続き、アジア航測はあらゆる土砂災害防止のために最先端のセンサー技術を活かして立ち向かっていきます。