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森林

航空レーザ計測を活用した森林資源評価

佐賀県多久・唐津市の森林GISへの適用


地球温暖化など環境問題に社会が注目する中、森林に求められる役割は多様化しています。かつては木材生産が主目的でしたが、現在では温室効果ガス吸収源、水源涵養機能、国土保全機能、生物多様性保全機能など多岐にわたります。一方で、林業に携わる労働者は年々減少し、広域にわたる森林の現況を把握することが難しく、また、森林の機能を十分に発揮できない施業の遅れた森林が増加しています。このような背景から、今後の効率的な森林経営の実現に向けた基礎情報を得るため、航空レーザ計測データを活用した森林(スギ・ヒノキ)の資源評価手法を開発しました。

(図は図1 樹木頂点抽出手法(特許第4279894 号))

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樹木頂点抽出技術(特許第4279894 号)を用いた間伐優先度の評価


図2 GISを活用した森林現況把握(上:平均樹高、下:収量比数)

航空機から照射されたレーザは地盤だけでなく、樹冠からの反射パルスも存在します。さらに、これら反射パルスの差分により樹高や樹冠の凹凸を把握することができます(図1左上)。これらの情報を基に東京電力株式会社と共同開発した樹木頂点抽出手法(特許第4279894号、図1)を活用して樹木本数を抽出し、樹木頂点の位置と樹高を樹木ごとに求めます。次に、既存の林班界と組み合わせて、林班ごとの立木密度と平均樹高を算出し、密度管理図を用いて収量比数(樹木の混み具合を表す指標)を求めます。平均樹高や収量比数の大小を基にして林班ごとにそれぞれ色付けし、GIS 上で道路網や空中写真とあわせることで、視覚的に森林の現況を把握することが可能となります(図2)。また収量比数と道路などの地理情報を加味した間伐優先度の把握が可能です。

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反射パルスの分布を利用した森林垂直構造評価


図3 反射パルスの垂直分布と折込棒グラフ

森林域に照射されたレーザは地盤や樹冠に加え、樹冠内部の低木などにも反射します。このことから全ての反射パルスの垂直分布を調べると森林の垂直構造を把握することができます。任意の単位面積において最大樹高を求めて5等分し、それぞれの階層の反射パルス数から、階層ごとの照射パルスに対する反射パルスの割合を算出します。これら1 ~ 5階層の割合を足した棒グラフを作成し、さらに正方形に折りたたんだ折込棒グラフ(図3)を作成して平面図に展開し、林分垂直構造図を作成しました(図4、5)。図4の中央の赤色が多い箇所では上層木(5階層)からの反射パルスが多くなっており、林冠がうっ閉している林分であることがわかります。また、図5の中央は赤色と青色が、おおむね半々で混在していることから、上層木からの反射パルスが半分、低木からの反射パルスが半分であり、開空率が高く、上層木と低木が混在する階層構造を持った林分であることがわかります。林分垂直構造図は平面図であっても森林の垂直構造が評価できることが利点です。さらに、この手法を利用して樹冠長率を把握でき、間伐遅れや風雪害に弱い林分を抽出することも可能です。

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森林GISへの取り込みと活用


図4 林分垂直構造図(密林)と現地状況

上記で得られた情報はGIS上で管理でき、地形・地理情報などの既存情報と組み合わせて森林資源の状況を総合的に評価できるため、森林の状況や管理目的を考慮したきめ細かい施業計画立案に有効な情報となります。そして、森林の機能を効率的かつ効果的に発揮させることができ、森林資源を有効に活用できるようになります。また、林分垂直構造図による森林垂直構造の把握により、森林タイプ(発達段階)が特定でき、水源涵養機能や生物多様性の評価につながる情報が得られます。

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今後の展開


図5 林分垂直構造図(複層林)と現地状

林野庁は「森林・林業再生プラン(中間)」を策定し、森林簿情報の精度向上の必要性を指摘しています。今回開発した森林資源評価手法は全国的な森林簿情報の見直しに貢献できる手法になると考えます。また、国外での森林資源調査も視野に入れ、評価手法を発展させます。

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図6 GISで表示した林分垂直構造図

図6 GISで表示した林分垂直構造図



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