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福島県須賀川市藤沼ダムの決壊 <事例報告>

地震によるダム決壊の速報とその意義

2011年3月11日東日本大震災では内陸部のアースダムの決壊も生じました。決壊した藤沼ダムは、須賀川市中心部から西へ約12の山間部に位置します。1949年に竣工した灌漑用のアースダムで、堤高約18.5m、貯水容量約150万あり、被災時はほぼ満水状況でした。地震後ダム堤体が決壊し、貯水されていた水が泥流となり本川を駆け下り、大災害となりました。アジア航測はダム決壊による被災状況をいち早く把握するため、空中写真(DMC:対地高度約1500m、地上解像度約16)を撮影し、関係機関に速やかに配布しました。

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被災状況

藤沼ダムからの泥流は、ダム下流約3以上を流下し、河川沿いの家屋を飲み込み、死者・行方不明者8名、流出家屋11戸、床上・床下浸水55戸という大災害を引き起こしました。被害は田畑にもおよび、田植時期の土壌も流出しました。ダムから流下した泥流は、河川沿いの樹木も巻き込み、その破壊力を増したものと考えられます。地震によるダムの決壊は世界でもほとんど例がありません。当ダムは、土砂材料を台形に盛ったアースダムという形態で、ロックフィルダムのようにコア材とロック材のような複合構造は持ちません。地震動他と決壊の原因は詳細な調査を待つ必要がありますが、近隣の比較的新しいアースダムは無傷であったこともあり、この決壊には何らかの堤体部の要因もあったことを伺わせます。アジア航測の空中写真からは、ダム堤体部の決壊状況や下流側の侵食状況が詳細に分かります。また、周辺部の副堤付近にも亀裂や沈下などの変状が生じていることが分かります。

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アジア航測の対応

未曾有の東日本大震災では、津波以外の被害も注目されています。アジア航測は、関係機関からの要請や社会的な意義も鑑み、積極的に情報収集に努め、どこよりも早く本現場の撮影計画を立て、3月14日に撮影を実施しました。撮影に際しては後続の図化などにも配慮し、1/1000図化も可能となるよう高解像度のデジタル空中写真(DMC)で実施しました。また、撮影範囲はダム決壊部だけでなく、泥流が到達した広い範囲を含めるようにし、土砂流出災害の全容を把握できるようにしました。撮影後は画像を速やかに関係機関へ配信・提供し、関係機関では被災状況の把握や原因究明のため即座に利用していただきました。

我が国では、地震時に15mを越えるハイダムが決壊した事例は近年なく、社会的にも衝撃を与えた災害でした。東日本大震災のような、被災範囲が広く多様な災害が生じている状況の中で、どこをいつ撮影するのか、依頼の優先度はどうするべきなのか、自社責任でも撮影すべき箇所はどこなのか、機材繰りは大丈夫なのかなど、混乱の中、素早い意思決定が必要とされます。特に自社機を多く有するアジア航測では社会的な責任も含めて重要な判断となります。本ダム災害の撮影もその最中に決断されたものであります。本災害においては原因究明が重要な課題となります。老朽化や締め固め不足、遮水機能などの不足が言われていますが、現場での痕跡が少なくメカニズムの解明には時間がかかる状況です。そのような中、今回のDMC画像は解像度約16と高く、堤体に発生した亀裂などの状況を詳細に記録しているため、決壊発生の原因究明などに幅広い活用が期待されます。また、同様に老朽化したアースダムがある河川では、万一決壊した場合の被災シミュレーションなどの参考データとしても、防災上貴重な記録となっています。今後も、このような社会的に意義のある計測、撮影が自主的にできる会社であり続けることがアジア航測の責務と考えます。

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図の説明

図1 決壊した藤沼ダムと泥流経路
泥流は下流3以上まで達しました(青色矢印)。途中の家屋などを流出させ大惨事を引き起こしました。

図2 決壊した堤体部
堤体頂部を通るアスファルト道路も含み、えぐり取られたように流出しています。下流渓岸部の樹木もなぎ倒され流出しています。

図3 ダム堤体部の被災前の写真との比較
アジア航測のLVSquareにより、新旧の写真を比較、閲覧できるようにしました。(上段の写真はGoogleEarthより)

図4 ダム下流約500mの滝集落を直撃する泥流
泥流(青色矢印)は家屋へ直交方向にぶつかり、再び河川沿いに向きを変え、より下流の集落にも達しました。(上段の写真はGoogleEarthより)

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決壊した藤沼ダムと泥流経路  決壊した堤体部

図1 決壊した藤沼ダムと泥流経路               図2 決壊した堤体部

 

ダム堤体部の被災前の写真との比較  ダム下流約500mの滝集落を直撃する泥流

図3 ダム堤体部の被災前の写真との比較         図4 ダム下流約500mの滝集落を直撃する泥流



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