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高高度航空レーザによる地形変化計測 <事例報告>

新燃岳2011年噴火高高度航空レーザによる火口縁での地形変化計測 


霧島山新燃岳は、2011年1月26日に189年ぶりのマグマ噴火をしました。その後も噴火は続き、溶岩湖が形成され、周囲には噴石が飛散し、風下側には降下火山灰が堆積しました。このような噴出物の体積の把握は、火山活動の評価や土石流対策にとって重要な情報となります。地形変化量算出手段として、最も高精度の計測は航空レーザ計測による2時期計測の差分です。今回、安全運航に留意し、霧島山新燃岳で噴火継続中に高高度航空レーザ計測を行い、地形変化量を計測しました。
黒色火山灰分布域は反射率が低く計測困難でしたが、対地高度5,000mという高高度でも、火口付近の軽石分布域は十分計測可能であり、2時期の差分解析で貴重なデータを得ることができました。

右の図は新燃岳2011年噴火状況(2011/2/1撮影)

表1 レーザ計測諸元

図2 計測概念図

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高高度レーザ計測による地形変化把握

2011年2月末の段階では、新燃岳は噴火を継続中であり、高度約3,000mに達する爆発的な噴火が間欠的に発生していました。通常のレーザ計測は、高高度で計測する場合は飛行高度3,000m前後で実施します。この事から、2011年2月末の状況では危険なので、断念せざるをえませんでした。

そこで、新燃岳の噴煙が治まっている状況を確認し、なおかつ危険な火口上空を避け、火口の南東2kmの高度5,650mから斜高高度レーザ計測を実施しました(図2、表1)。スキャン角の限界である25度で、2kmの水平距離を確保するためにこの高度になりました。計測を実施した2月26日は高高度まで雲がなく、風向きも南東風で、火口の監視を行いながら計測を行いました。このような計測例は世界でも例がなく、アジア航測が自主的に行ったものです。

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計測結果


航空レーザ計測反射強度分布図

航空レーザ計測による反射強度分布を右の図に示します。新燃岳火口南東側を中心に、反射率が著しく低く、5m四方から1点も反射が戻ってこなかった地点がありました(図の黒色部)。新燃岳2011年噴火では、1月26日に火口から南東方向に白色の軽石が降下し、その後黒色の火山灰が南東から東方向に降下堆積したことが知られています。この反射率の低い地点は、黒色火山灰の分布を示していると考えられます。

新燃岳の南東側の噴石の落下地点では、黒い火山灰の下にある白い軽石が、クレーターの周囲に飛散しており、反射がよく計測可能でした。

また、矢岳の北側斜面の尾根では、新燃岳に面した西斜面のみ反射率が著しく低く、黒色火山灰が分布していると考えられました。新燃岳から東方向に低い噴煙がたなびいていたことと調和的です。

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地形変化量と噴出量の算定


地形変化量分布図(白破線内が精度高い)

高高度レーザ計測結果と噴火前の航空レーザ計測結果と比較し、地形変化量を求めました。火口近傍の拡大を右の図に示します。差分計算は噴火前がDEMデータ、噴火後はDSMデータを使用しました。その結果、植生分布域では誤差が大きいものの、火口縁付近の無植生域については、地形変化を明瞭にとらえることができました。

火口内部については、最大で67mのプラスで、他の手法による結果と調和的でした。最も問題となっていた、火口縁での地形変化量は、南縁部で10m、東縁部で3m程度と求められました(図4)。この値は、ヘリコプターなどから目視で想定されていた値よりも少ない結果でした。

この計測結果を、直ちに第129回火山噴火予知連に報告するとともに、地球惑星科学連合大会で発表しました。

さらに第130回火山噴火予知連では、東大地震研究所・産業技術総合研究所との共同で、噴出量の体積の再検討結果を報告しました。その結果は、2011年噴火直後の速報値(火口内を含んで7,000万トン)を下回る、火口内と海域を除いて1,400万トンという値となりました。

なお、比較のために使用した噴火前の地形データは、国土交通省宮崎河川国道事務所および鹿児島県土木部から提供を受けました。ここに厚くお礼申し上げます。

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