衛星コンステレーションは周回軌道上に多数の小型衛星を配置する手法で、国内外の複数企業で観測体制の整備が進められています。これにより従来は1カ月ごと程度だった観測頻度が劇的に向上し、地表面を日々監視することができるようになります。当社でも、近い将来得られる大量の衛星画像と深層学習モデルを組み合わせることで、土砂移動域・浸水域・被災建物などのさまざまな事象を抽出するための技術開発および社会実装への取り組みを、2017年から国土交通省や内閣府の公的研究を通じて実施しています。
干渉SAR時系列解析は、合成開口レーダ(SAR)のデータを数年単位で収集・解析することで、地表面の変動速度を求める干渉SAR時系列解析の技術であり、2022年4月に国土地理院より作業規程が公開されています。また宇宙航空研究開発機構(JAXA)により2024年7月に打ち上げられたALOS-4は、国内を対象に年間20回の高頻度観測を予定しており、これまで課題だった植生域の解析が比較的容易であることなどから、干渉SAR時系列解析の活用範囲が大幅に広がることが期待されています。
当社ではこれまで、埋め立て地や海岸構造物の沈下速度調査や、大深度地下トンネル直上のモニタリング技術を開発し、都市域では一定の成果が得られています。