光波測距儀
1970年代から1990年代前半まで、精密測地網測量において、AGA社(スウェーデン)製の特級長距離型光波測距儀及び反射鏡を使用していました。光波測距儀の光源はHe-Neガスレーザを用い、発射された光の波が反射鏡に反射し、光波測距儀にもどってくる時間をはかることで距離を計測するものです。これは、最長60kmまでの長距離をレーザ光により測定する高性能な機器です(20kmで25mmの測定精度)。GPS受信機が実用化される以前の精密測地網測量など地殻変動調査で使用していましたが、当社では1991年の北海道での業務を最後に、全ての特級長距離型光波測距儀の稼働を終えGPS測量に移行しました。
反射鏡
反射鏡は、光波測距儀を設置した測点から距離測定を行うため、目標点に設置する機器になります。レーザの入射光を入射方向に反射させて戻すよう、立方体の角を切り取った四面体のコーナーキューブを用いています。公共測量など通常の測量では1個の反射鏡で観測可能ですが、長距離では光量不足になるため、10km程度で8個、30km程度で16個使用します。長距離のため反射鏡を直接視準できませんが、反射感度の最も高い状態で観測します。夜中に観測すると反射鏡に照射されたレーザ光が山火事のように見えます。