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「平成16年台風第21号」三重県宮川村土砂災害(2004年9月)

「平成16年台風第21号」三重県宮川村土砂災害

(2004年10月4日作成 ver.1.6)

平成16年9月29日、台風21号による雨は、三重県宮川村で1000mmを超える集中豪雨となり、多数の崩壊・土石流が発生し、大きな災害となりました。また、人的被害も発生しています。アジア航測では災害実態の把握や、防災対策検討のために、10月1日に緊急撮影を行いました。以下にその一部を紹介いたします。

垂直写真 2004年10月1日撮影  括弧内の青文字は標定図の番号に対応
写真-1 崩壊と土石流の集中地域(C2-45) 宮川村小滝から滝谷にかけては、宮川の谷にそって河岸段丘が発達し、南北に急峻な山地が分布する。この範囲には、多数の表層崩壊とそれから発生した土石流が分布している。写真の上方向は北北西。
写真-2 春日谷左岸の崩壊(C2-38) 春日谷の左支渓の上流、標高600m付近で、幅約200m長さ約200mの比較的規模の大きな斜面崩壊が発生した。崩壊土砂は渓流を流下し、春日谷合流点を通過しやや下流に達して停止した。この区間の平均渓床勾配は約15度である。この流下過程で、上流部では右岸側、下流の屈曲部では左岸側に激しく偏流し、最大で比高20m程度の高さまで乗り上げている。春日谷合流点付近には、明瞭な土石流堆が形成されており、天然ダムを形成した痕跡が見られる。
■垂直写真(拡大)
写真-3 小滝付近の崩壊(C2-45)  小滝~御棟間の宮川本川に面した斜面で発生した表層崩壊、新しい橋のちょうど付け根の部分。斜面の最上部に近いところで崩壊が発生、約150mほぼまっすぐに流下して道路を乗り越え宮川に達した。流下幅は下部ほど広がっている。写真の上方向は北北西。
■垂直写真(ステレオ)
写真-4 滝谷里中付近の崩壊(C2-39,40)  集落の背後の斜面の中腹で崩壊が発生、擁壁を乗り越えるようにして住宅と道路を押し流し、土砂の一部は宮川に達した。崩壊地は馬蹄形をなしており、やや深い。地形的に見ると崩壊の発生した部分は古い崩壊土砂の作る尾根か。写真の上方向は北北西。
写真-5 始神谷左岸の崩壊(C1-26,27) 最大幅100mの地すべり性崩壊。末端は河道に対して凸型に張り出しているが、対岸には乗り上げていない。崩壊斜面内部や末端部付近で立ったままの樹木が確認できる。また、隣接する谷では土石流が発生しており、尾根を乗り越えているのが確認できる。
■斜め写真
写真-6 小滝付近の崩壊(7)  小滝~御棟間の宮川本川に面した斜面、新しい橋のちょうど付け根の部分。斜面の上部、尾根からやや下がったところで表層崩壊が発生、規模を拡大しながらまっすぐに流下して道路を乗り越え宮川に達した。一部は橋の上を流走している。
写真-7 滝谷里中付近の崩壊(13)  集落の背後の斜面の中腹で崩壊が発生、擁壁を乗り越えるようにして住宅と道路を押し流し、土砂の一部は宮川に達した。崩壊地は馬蹄形をなしており、やや深い。周辺の地形をみると、崩壊発生部は古い崩壊土砂の作る尾根か。
標定図
図-1 写真標定図(2004年10月1日撮影) 宮川村とその周辺を垂直で2コース撮影した。図中に赤でおおまかな崩壊と土石流の位置を示したが、暫定的なものである。黄色枠は紹介した空中写真の位置。背景の地形図は国土地理院の1/2.5万地形図「七日市」「江馬」「宮川貯水池」「間弓」を使用した。背景に敷き込んだ赤色立体地図は図-3のもの。

準備中
図-2 斜め写真標定図(2004年10月1日撮影) 宮川村とその周辺で撮影した斜め写真の位置を示す。黄色の文字のものは、本ページに掲載している。背景の地形図は国土地理院の1/5万地形図「丹生」「長島」を使用した。背景に敷き込んだ赤色立体地図は図-3のもの。
図-3 宮川村付近赤色立体地図 図-1の位置を白枠で示した。画像の作成にあたって、DEMデータとして国土地理院の数値地図50mを使用した。
■ 本ページについて

このページでは、弊社による自主撮影結果を掲載しております。現在の状況把握や今後の防災対応等の資料としてご活用いただき、現地の復旧にお役に立てれば幸いです。

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