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「平成15年 九州豪雨」土砂災害(2003年7月)

2003年7月九州豪雨土砂災害
(2003年7月24日作成、8月4日修正 ver.2.3)
 2003年7月19-20日に、梅雨前線の活動により、九州地方で土砂災害が発生し、多くの人命が失われました。弊社では、これらの土砂災害の実体を明らかにするために、7月21日に緊急撮影を、7月25日にレーザ計測作業を実施いたしました。その一部をここに紹介いたします。
 土砂災害の状況を知るための資料としてご活用ください。
・7.24 宝川内モザイク写真追加
・7.24 深川、菱刈地区写真追加
・7.24 太宰府地区写真追加
・7.25 一部修正、太宰府地図追加
・7.27 一部文章追加
・7.29 宝川内写真判読図追加
・7.30 宝川内土石流レーザ計測ページ追加
・8.1  太宰府大判斜め写真追加
・8.4  字句修正
広域位置図

■関連リンク

■水俣市宝川内(ほうがわち)土石流災害

■レーザーバード2による緊急計測結果
垂直写真 2003/07/21 15:30撮影
写真-1■土石流発生域の崩壊垂直写真(C1-19) 土石流の発生源となった馬蹄形の崩壊地の拡大画像。崩壊地内部には、巨レキを含む土砂が堆積しているが、一部樹木が直立しているものもみられる。右が北、左が下流。
写真-2■崩壊地のステレオ写真(C1-18,19) 実体視によって、崩壊と渓流と道路の位置関係がよくわかる。崩壊は道路の山側斜面中腹で発生し、崩壊土砂が対岸の斜面に衝突したことがわかる。右が北、左が下流。
写真-3■流下経路垂直写真(C1-16) 通過部分。渓流の曲線区間で、土石流の一部が斜面に乗り上げていることがわかる。治山ダムが確認できる。右が北、左が下流。
写真-4■宝川内集地区垂直写真(C1-14) 茶色の部分が土石流の通過および氾濫堆積域。灰色の部分は、土石流堆積後に2次侵食を受けた部分。右が北。
写真-5■宝川内集地区ステレオ写真(C1-13,14) 実体視によって、土石流が渓流の屈曲部を直線的に進行し、高台を越えて集地区に達したことがわかる。
斜め写真 2003/07/21 16:00撮影
写真-6■宝川内土石流斜め写真(南) 南側からみた全体像。背後に見える海は津奈木湾。
写真-7■宝川内土石流斜め写真(南西) 南西側からみた全体像。右下に見えるのが宝川内川。背後に見える山は矢城山(585.9m)。
写真-8■宝川内土石流斜め写真(北) 北側の崩壊地上空からの俯瞰画像。遠くに見えるのが、集地区。
モザイク

写真-9■宝川内土石流モザイク写真 (2003/07/21 15:30頃撮影) 崩壊地から集地区まで5枚の空中写真をデジタル接合したもの。地形図と完全に重なるオルソ画像ではない。右が北方向。
崩壊地と集地区の縮尺は2倍程度違うことに注意。
図-5■写真判読図(今村遼平作成)
図 面
図-1■赤色立体地図*1)による宝川内周辺地形 宝川内土石流のおおよその範囲を黄色で示した。 基図として、国土地理院発行の1/2.5万地形図「水俣・湯出」を使用した。また、背景に使用した赤色立体画像は数値地図50mより作成した。
図-2■航空写真標定図(水俣) 2003年梅雨前線豪雨
熊本県水俣市宝川内集
深川湯出新屋敷地区 平成15年7月21日撮影  縮尺 約1:3,000 基図として、国土地理院発行の1/2.5万地形図「水俣・湯出」を使用した。
■水俣市深川土石流
斜め写真 2003/07/21 16:00撮影
写真-10■深川地区新屋敷土石流斜め写真 ちょうど雲の影の部分に崩壊がある。土石流が直線状に河川まで流れたことがわかる。撮影地点は、図-2の航空写真標定図のC5コース付近。東方向を俯瞰するように撮影したもの。
■菱刈土砂崩壊
斜め写真 2003/07/21 15:00頃撮影
写真-11■菱刈土砂崩壊斜め写真 崩壊地は斜面の中腹に位置する。崩壊土砂は薄く広がり、水田に達している。北に向かって撮影、右が東方向。
垂直写真 2003/07/21 15:00撮影
写真-12■菱刈土砂崩壊ステレオ写真(C1-7,8) 斜面の中腹に生じた崩壊地の形状を立体的に捉えることができる。写真の下側にももうひとつ崩壊があるが、道路には達していない。
図 面
図-3■航空写真標定図(菱刈) 2003年梅雨前線豪雨
鹿児島県菱刈町前目地区
平成15年7月21日撮影  縮尺 約1:3,000 基図として、国土地理院発行の1/2.5万地形図「吉松・栗野」を使用した。
■太宰府土石流
手持ち斜め写真 2003/07/19 14:00頃撮影
写真-13■太宰府土石流斜め写真(no.7) 太宰府市街地の北に位置する大城山、南の縁にある四王寺山脈の南東斜面に崩壊が生じている。
写真-14■太宰府土石流斜め写真(no.3) 水路からあふれた土砂が、ため池や住宅地に流れ込んでいる。
写真-15■太宰府土石流斜め写真(no.1) 連歌屋2丁目付近、水路からあふれた土砂を確認できる。
胴体斜め 2003/07/27 撮影
写真-16■太宰府土石流斜め写真(no.3009) 上方に見える稜線は、四王寺山脈の九州自然歩道。太宰府上空より北西方向を撮影。
写真-17■宇美町欅谷付近斜め写真(no.3069) 遠景は砥石山西山腹斜面。福岡刑務所付近より東方向を撮影。
写真-18■筑穂町大分川付近斜め写真(no.3071) 遠景に見えるのは、三郡山から砥石山にかけての稜線。大分付近より南西方向を撮影。
図 面
図-4■赤色立体地図*1)による太宰府周辺地形 太宰府で発生した土石流のおおよその範囲を黄色で示した。 基図として、国土地理院発行の1/2.5万地形図「大宰府、福岡南部」を使用した。また、背景に使用した赤色立体画像は数値地図50mより作成した。

2003年7月宝川内土石流災害 航空機レーザ計測
(2003年7月30日作成 8月5日修正 vre 2.3)
 水俣市宝川内(ほうがわち)土石流災害では、住民から多くの犠牲者が出ました。このような土石流の発生機構を検討するためには、現地調査や崩壊土砂量の計測が不可欠です。そのためには、発生直後の詳細な地形データが、基礎資料として重要となります。
 弊社では、7月25日に宝川内土石流について、幅1100m長さ2700mの範囲について、航空機レーザ計測を実施し、高精度1mDEMデータをを取得いたしました。緊急で作業を行いましたので、樹木データの除去作業は、一部不十分な地点もありますが、取り急ぎ公開いたします。防災のための調査研究にご活用ください。
・8.1 鳥瞰図追加、高解像度画像追加
・8.4 ファイルサイズの適正化
・8.5 オルソ画像の差し替え、オルソ立体画像掲載

■1mDEMデータの表現手法と、土石流の範囲の認定

いずれの画像も1530×2970pixels(1ピクセル=0.5m)です

 航空レーザ計測により、森林地帯でも樹木の影響を取り除いた精度の高い地形データが取得できるようになった。しかし、そのデータは膨大で、これまでの地形図のように等高線をDEMから発生させる表現では力不足である。もともと平坦部や急斜面は等高線の苦手とするところであった。(これまでは手作業で崖記号や窪地のハッチをいれることで補完してきた)。
 そこで、DEM データの可視化手法として従来より、陰影図や傾斜区分図、斜面方位区分図などが作成されてきた。陰影図には、方向依存性があったり反対側から見ると反転して見えるという問題があった。傾斜区分図は尾根部と谷部の区別がなされていないという問題があった。さらに、立体感を得るためには、2枚の図を使用したり、様々なフィルタを用いることが多く、広い範囲を一度にどの方向から見てもという方法は存在しなかった。
 以下に紹介する「赤色立体地図」*1は、アジア航測で開発した新しい地形表現手法で、オルソ画像1枚で安定した立体感を生じさせるもので、現在特許出願中である。レーザ計測による詳細なDEMデータの細部にいたるまで余すことなく表現することが可能である。
 基本的には、傾斜の大きいところほどより赤く、平坦なところほどより白く、尾根や独立峰ほどより明るく、谷や窪地の部分ほどより暗くなるように調整した画像である。以下に、いくつかの作成事例を紹介する。

 なお、ここに示した滑落崖および崩壊地、土石流通過範囲および堆積範囲は、作成したオルソ画像を地形図や赤色立体地図に重ね合わせて作成したものである。特に谷の上を覆う樹木の部分のとりこぼしや、土石流通過範囲の脇に形成された、小規模崩壊等も含んでいる場合があるかもしれない。現地調査による検討を踏まえたものではないことに注意が必要である。

 ■従来のデータ表現手法によるもの
図1■1m間隔等高線図 図2■陰影図 図3■傾斜区分図
■赤色立体画像のバリエーション
図4■赤色立体地図 図5■赤色立体地図(色相付加) 図6■赤色立体地図(反転)
■等高線図や赤色立体画像、オルソ画像と分布図の重ね合わせ
図7■1m間隔等高線図+分布図 図8■赤色立体地図(青黄色付加)+分布図 図9■赤色立体地図(反転)+分布図
図10■赤色立体地図+1m間隔等高線図+分布図 図11■赤色立体地図(青黄色付加)+1m間隔等高線図+分布図 図12■オルソ画像
  ■地形断面図

図13■ 断面位置図

次ページの画像上の、断面線をクリックすると、断面図を表示します

図14 赤色立体鳥瞰図その1

青い線は断面図の位置を示す

図15 赤色立体鳥瞰図その2

青い線は断面図の位置を示す

図16 赤色立体鳥瞰図その3

黄色着色範囲は土石流のおおよその位置を示す

図17 オルソ鳥瞰図その1

崩壊土砂が、斜面に乗り上げながら下っていた様子が分かる。

図18 オルソ鳥瞰図その2

崩壊地から氾濫堆積地点までの全体の様子がわかる。

図19 オルソ立体画像部分拡大

立体感の消失したオルソ画像に、赤色立体地図を合成し、オルソ立体画像としたもの。土石流通過域の谷の中の微地形がよくわかる。3つの治山ダムも確認できる。

Copyright (c) 2003 by Asia Air Survey co., ltd.
本ページに掲載した画像や図の無断転載を禁じます。

*1)赤色立体地図 特4272147,3670274 「傾斜赤色化立体画像」
文献:千葉達朗・沼田洋一(2003)赤色立体地図,写真測量とリモートセンシング,42,4

 *1)赤色立体地図 特許出願中 特願2002-321634「傾斜赤色化立体画像」

■ 本ページについて

このページでは、弊社による自主撮影結果を掲載しております。現在の状況把握や今後の防災対応等の資料としてご活用いただき、現地の復旧にお役に立てれば幸いです。

本ページで紹介している画像は、撮影した斜め空中写真の一部を、サイズを縮小して掲載しています。斜め空中写真のオリジナル画像やデータに関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

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