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「平成12年(2000年)三宅島噴火」噴火状況(2000年8月)

三宅島2000年噴火
2000年7/2,7/9,7/22、8/2、8/10、8/18、8/29撮影
2000年7月10日作成/9月10日更新 ver.9.2
 このページでは、三宅島の噴火に関する情報を紹介しています。防災のためには、正しい現状把握が必要であり、空中写真映像を積極的に公開しています。  8月18日のマグマ水蒸気爆発噴火では、大規模な噴煙が成層圏に達し、島内全域に火山灰が降下するとともに、小石サイズの火山弾や岩片も落下しました。また、火口から直径が50cm以上にも達する岩のかけらが弾道を描いて飛び出し、中腹の牧場の牛舎を破壊したほか、伊ヶ谷付近の都道にも落下しました。火山噴火予知連では、今後、雨が降った場合には泥流の発生する可能性があり、十分な警戒をするようによびかけています。  8月29日の噴火では、噴煙が8000m上空に達すると共に、南西側と北東側に弱い火砕流が発生しました。人的な被害こそありませんでしたが、火山噴火予知連では、今後さらに強い火砕流が発生する可能性があるとして、警戒が呼びかけられました。それを受けて、三宅村と東京都では、防災関係者を除く全島民に対して、避難命令を出し、9月4日まで避難を完了しました。また、9月5日に大雨があり、島内の10箇所で泥流が発生しました。

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■8月29日写真(NEW)
写真-38 8月29日の南西方向に走った火砕流 (5時50分三宅高校より千葉撮影)
「デジカメで捉えた火砕流の連続写真」へのリンク
写真-39 神津島上空からみた三宅島 8月29日10時50分撮影。三宅島の雄山から、低い黄色みを帯びた噴煙が低くたなびいている。
写真-40 神津島上空からみた三宅島(39の拡大) 南西側斜面から灰色の火山灰が舞い上がっているが、朝5時50分頃の火砕流到達域と思われる。
■8月18日写真
写真-37 8月18日の大噴火の状況 (17時10分肉倉撮影)  
■8月10日写真
写真-34 北側からみた8月10日の噴煙 撮影時刻は12時45分
写真-35 北側からみた8月10日の噴煙 写真-34の部分拡大 噴煙は火口壁の東側にぶつかり、火山灰を吹き付けている。噴煙はすぐに泥雨となって山腹に降下している。
写真-36 御蔵島からみた噴煙 (遠山撮影)
■8月2日写真
写真-29 火口垂直写真その1
写真-30 火口垂直写真その2
写真-31 東(三池)方向からみた斜め写真 地名入り(横640pix) SGAサイズ(横800pix)
写真-32 北東(地獄谷)方向からみた斜め写真 地名入り(横640pix) SGAサイズ(横800pix)
写真-33 北(神着)方向からみた斜め写真 地名入り(横640pix) SGAサイズ(横800pix)
■7月22日斜め写真
写真-27 北方向から見た三宅島全景     (no.8912)
写真-28 雄山カルデラ 雄山山頂に、7月8日に形成された、直径約1kmの新カルデラは、22日の写真で見ると、全く異なる様相を呈していた。撮影中にも絶えまなく崩壊が発生しており、深さ・直径ともにじりじり拡大していると考えられる。雄山林道終点の駐車場(火口縁まであと50m)付近に見えるのは、14日の噴火で落下した角礫である。
図-1 7月9日と7月22日の平面比較図 赤線で示したのが、7月9日現在の地形分類結果で、7月22日の写真に重ねて示した。(藤田浩司作成)
■7月22日垂直写真
写真-20 7月22日10時32分の雄山山頂の状況
写真-21 7月22日10時32分の雄山山頂の状況(ステレオ写真)
写真-22 7月22日10時32分の雄山山頂の状況 カルデラ底の詳細を示すステレオ写真
図-2 7月22日撮影分の標定図
図-3 7月22日火口底の簡易写真測量結果(暫定版)  写真上で右側中央にある、駐車場トイレ基礎との比高で表示した。最も低い地点との比高は、474mとなりました。基準点とした、トイレの高度を714mと仮定すると、7月22日現在の火口底の最低標高は、240mとなります。なお現在、ルーチンの航測図化作業中です。
■7月16日にみられた、二次火山灰
写真-17 赤場暁付近
写真-18 神着付近
写真-19 三池港付近

 

2000年7月9日12時撮影

写真-13
  北方向からの斜め俯瞰写真 no.3151 VGAサイズ SGAサイズ
写真-13b
カルデラ底部分の拡大 no.3151
写真-14
  垂直写真 no.3133 SGAサイズ
写真-14b
  ステレオ写真 no.3132-34
写真-14c
  東方向からの斜め写真 no.3149 SGAサイズ
写真-14d
  西方向からの斜め写真 no.3146 SGAサイズ
写真-15
北方向からの斜め写真   no.3143 SGAサイズ
写真-16
  南方向からの斜め俯瞰写真 no.3152 SGAサイズ
■8月29日写真(NEW)
写真-38 8月29日の南西方向に走った火砕流 (5時50分三宅高校より千葉撮影)
「デジカメで捉えた火砕流の連続写真」へのリンク
写真-39 神津島上空からみた三宅島 8月29日10時50分撮影。三宅島の雄山から、低い黄色みを帯びた噴煙が低くたなびいている。
写真-40 神津島上空からみた三宅島(39の拡大) 南西側斜面から灰色の火山灰が舞い上がっているが、朝5時50分頃の火砕流到達域と思われる。
■噴火の経緯
 2000年6月26日午後6時半すぎ、突然、三宅島で群発地震の発生がはじまりました。過去には地震発生の2時間後に噴火している例もあることから、気象庁では、噴火の恐れが高いとして午後7時33分「緊急火山情報」を出し、警戒を呼びかけました。朝までには、三宅島の、坪田、三池、阿古、伊ケ谷地区の住民が、北の大久保地区に避難しました。27日午前0時30分の記者会見では、「数時間以内に噴火の可能性が強い」という見解が発表され、徹夜の警戒が行われました。幸いにも、危惧された山腹割れ目噴火は発生しませんでした。そして、6月27日の午前9時頃、三宅島西方約1kmの地点で、海底噴火が発生しました。  また、阿古から伊ケ谷にかけて、東西方向の地割が複数確認され、海岸の崖では数箇所のがけ崩れも確認されました。傾斜計やGPSの観測からも、今回マグマが貫入したことは間違いないと思われます。  その後、三宅島の西の海域で群発地震が発生し、その位置は時間とともに西北西方向に移動していきました。そして、7月1日の午後4時すぎ、神津島付近でM6.4の最大の地震が発生し、神津島では震度6弱を観測しました。そのため、多数の崩壊が発生、1名の方が亡くなる災害が発生しました。
 7月8日午後6時43分、三宅島雄山で水蒸気爆発が発生、灰色の噴煙が東の三池方向に流れ、赤色の火山灰が堆積しました。噴火そのものは小規模で、10分以内で終了しました。朝になって、山頂部に噴出量に見合わない、直径1km弱の陥没火口(カルデラ状の地形)ができていることがわかりました。二重に落ち込んだ底に見られる灰色の山は、雄山火砕丘が原形を保ったまま落ち込んだものです。  さらに、7月14日の噴火と7月15日の噴火は、小規模ではない水蒸気爆発で、大量の火山灰が島内に堆積しました。
写真-23 7月14日の噴火(青谷知己撮影)
写真-24 7月15日の噴火(青谷知己撮影)
14日の噴火では北の神着方面に泥雨状の火山灰が降下堆積し、乾燥してモルタル状となり大きな被害となりました。また15日の噴火では、北東方向に大量の細粒火山灰が降下堆積し、一周道路でも5cmに達する量となりました。森林へのダメージは深刻で、中腹の鉢巻林道では倒木で通行できないところもあります。また、森林の保水力が低下しているために、雨が降った場合には、泥流や土石流の発生が懸念されています。
写真-25 鉢巻林道付近での降灰被害状況
7月9日と22日の比較写真 
写真-26 鉢巻林道の倒木状況
(ステレオ写真・千葉撮影)
これらの噴火後の、山頂の状況がどのように変化したのかが注目されていました。台風一過の晴天となった7月22日に、垂直写真、斜め写真の撮影をすることができましたので、以下に緊急紹介します。山頂の、陥没火口(カルデラ状の地形)は、さらに拡大し・深くなっているようです。  その後、7月26日の朝に短時間でしたが強い雨がふり、泥流が発生しました。警戒避難により人的被害こそなかったものの、いくつかの家屋では浸水被害を生じたほか、一周道路の数カ所で土石流の被害を受けました。現在、復旧工事が急がれています。
■マグマ貫入事件
西海岸の崩壊の状況
写真-1
六双根付近の崩壊 崩壊は、溶岩流と火砕岩の互層する外輪山構成層が侵食されてできた谷に挟まれた、尾根の部分に生じています。一般に尾根部は、地震の震動による崩壊が発生しやすいと言われています。 no.2-9
写真-2
六双根付近の崩壊土砂の状況  六双根付近の崩壊の直下では、海岸沿いの岩場の表面が白っぽく変色しています。6月27日に変色水の見られた地点に最も近いこのあたりにだけ目立つようです。この付近の海岸には、温泉が湧出していることが知られています(大鼻など)。no.2-9
写真-3
六双根付近の崩壊(ステレオ写真) ステレオ写真では、崩壊部分に2枚の高角で北に傾く節理があることがわかります。周回道路の地割れとの関係は不明です。 no.2-9,11
写真-4
伊ケ谷付近の崩壊 伊ケ谷港におりていく道路と周回道路の交差点に面している家の裏側の海食崖で崩壊が発生しています。 no.2-16
阿古付近の地割れの状況
写真-5
阿古-今崎付近の地割れの分布状況(1) 現地調査をした秋田大学の林先生と地質調査所の川辺さんによれば、天草干場付近、露天風呂付近、その左の建物付近で確認されたとのことです。写真上では、角度が悪いのか未確認です。 no.3-7
写真-6
阿古-今崎付近の地割れの分布状況(2) 写真の左端にある道路を挟むように、両側に赤いパイロンが6個並んでおり、地割れの場所を示しています。 no.3-9
図-1
撮影位置図 *1 撮影は、7月2日の13時頃に行われました。海岸に沿って北から南へ飛行しながら、6×7センチのフィルムで斜め写真を撮影したものです。この図には、このページに掲載した写真の位置のみを示してあります。すべての写真をつなげると、切れ目のない海食崖の映像が得られます。*1)位置図の背景には、国土地理院作成の1:25,000地形図「三宅島」の一部を使用しました。
■7月8、14~15日の噴火による降下火山灰
このページでは、7月21日から23日にかけて行った現地調査の結果を紹介します。(2000年7月27日作成)
■降下火山灰による被害状況と除去作業
火の山展望台下のハウス
島下の道路脇のソテツ
バキュームによる降灰除去
サダドー岬逢ノ浜の湯
■ひょうたん山付近の堆積状況と飛散状況
真っ白なひょうたん山

三七山展望台付近の風紋
杉植林地の被害状況
風が吹くたびに上がる火山灰
■降下火山灰の堆積状況と厚さの計測
島下
神着ドライブイン前
火の山峠近く科技庁観測点
三池港西側とんび沢付近
■森林被害状況(とんび沢鉢巻林道付近)
火山灰降下中に発生した崩壊
杉の葉に付着した火山灰
倒木被害

樹幹の折れ

copyright:Tatsuro CHIBA 2000/07/21-23

■三宅島噴火関連リンク集(作成当時のもの・リンク切れもあります)

東大地震研「三宅島火山、神津島・新島地震活動情報」
東大地震研中田先生「大学観測班の活動状況」
東大地震研嶋野さん「三宅島火山2000年活動情報」
日本大学大野先生「三宅島2000年噴火の山頂地形とその噴出物」


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