深層学習と赤色立体地図を用いた航空レーザデータのフィルタリング手法の開発

センシング 航空測量(航空写真・航空レーザ)

 

航空レーザ計測のデータから樹木や建物などの高さを取り除くフィルタリング処理は、地盤以外の不要な地物を含まない地盤標高データを作成する上で重要な工程です。当社は、高品質な地盤標高データを提供するため、独自の地形表現手法である赤色立体地図(特許第4272146号)を用いて、計測データに含まれる樹木や建物などの地物を発見しやすくした上で、熟練の技術者の手によりフィルタリング処理を行っています。しかし、この処理には多くの時間と労力が費やされるため、自動化による効率化が必要とされています。

 

当社は、これまで、赤色立体地図を用いて品質管理を行ってきましたので、フィルタリング処理前後の赤色立体地図を豊富に蓄積しています。そこで、こうした赤色立体地図を利用して、樹木などの地物を深層学習により検出し、自動的にフィルタリングを行う手法を開発しました(名城大学と共同特許申請済み)。

 

本研究では、レーザデータ専用のソフトウェアを使用して初期のフィルタリングを実施した後に、開発手法と手動によるフィルタリングをそれぞれ実施して、レーザデータの点群を地盤か非地盤かに分類した結果を比較しました。山林地の航空レーザデータへ適用した結果、専用ソフトにより地盤と分類された点群には樹木などの非地盤が2.2%含まれており、このうちの57.6%を開発手法によりフィルタリングすることができました。また、残りの97.8%の地盤については、非地盤への誤分類の割合を0.4%に抑えることができました。

 

今後は、建物や背の低い植生など、より判定が困難な地物の検出や、航空レーザ測深機などの他のレーザデータに対しても適用を検討する予定です。