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博物館へ行こう!

~ その2 横浜市歴史博物館 (神奈川県横浜市) ~

   

横浜市都筑区にある横浜市歴史博物館は、「横浜に生きた人々の生活の歴史」をテーマに、2万年にわたる市域の歴史を展示している博物館です。


復元された弥生時代の竪穴住居などがある国指定史跡「大塚・歳勝土遺跡」を中心とした遺跡公園に隣接しており、希望者にはその案内もしてくださいます。


ここで、2015年1月31日から3月15日まで、企画展「鶴見川流域のくらしー生業・水運・信仰・祭礼ー」が行われています。


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 鶴見川流域のくらし-生業・水運・信仰・祭礼-

 2015年1月31日(土)~3月15日(日)

 「民俗に親しむ会」参加の市民と鶴見川流域を源流から河口まで歩いたフィールドワークの成果を活かし、流域のくらしの諸相を紹介します。

講演会やフィールドワーク、神楽公演など、関連企画もたくさん行われます。

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鶴見川は、東京都町田市から横浜市鶴見区までの全長42.5kmの河川です。現在は流域面積の85%が市街地化された典型的な都市河川ですが、以前の鶴見川


流域には、丘陵や台地が浸食されて形成された谷地形、いわゆる「谷戸(ヤト)」の景観があり、その環境を利用して、農業を中心とした生業が営まれてい


ました。流域の農産物や特産物が横浜や東京方面へ出荷され、下流から上流へは農産業に必要な肥料が運搬されるなど、人々は、川でつながり、川を活かし


て、生活を営んできました。また、時に河川氾濫などの災害にも遭い、さまざまな工夫や改修工事などの対策を講じて、くらしを守ってきたのです。


今回の企画展では、生業・水運・信仰・祭礼などに関する展示物とともに、鶴見川流域の赤色立体地図も掲示されています。鶴見川をとりまく地形的特徴や、


川でつながった人々のくらしを、鳥になった気持ちでご覧になってはいかがでしょうか?



企画展での鶴見川流域赤色立体地図の展示の様子 (※許可を得て撮影しています)


 

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2月4日には、第一回の鶴見川流域フィールドワークも実施されました。


今回は、町田市小山田地区周辺の水源地付近の散策です。鎌倉時代より小山田氏が領した場所といわれ、小山田一帯には鎌倉道とされる旧道が多くあります。


道や寺社などに庚申塔や狛犬などの石造物が多くみられるのも特徴です。ここ、鶴見川上流にある石造物は、多くが七沢(神奈川県厚木市)から運ばれたもの


とのこと。


厚木市は以前アジア航測の技術所があった場所で、小山田地区は現在の新百合本社に近いため、なんとなく親しみと、当時の作業の大変さを感じました。


赤色立体地図もフィールドワーク資料のひとつ 加工しやすい「七沢石」は、やはり崩れやすい 企画展は「民族に親しむ会」の3年間のフィールドワーク成果を活かしたもの
学芸員の刈田さんが位置を説明

雪が残る丘陵地 昔もこんな風景だったのでしょう

尾根から見た谷戸の風景 遠くに大きな街並みが見える



将来、小田急多摩線の相模原延伸で、この近くの小山田バス停付近に新駅が設置されるようです。また、リニア中央新幹線も地下を通る計画になっています。

谷戸の風景は、このあたりでは小山田地区など一部に残されたような状態ですが、いずれ開発が進んでいくことが予想されます。

ブドウの房のように谷戸の地形を表す赤色立体地図。造成が進むにつれ、元の地形がわからなくなっていきますが、都市で生活する人間こそ、足下の地形を意識し


理解しておくことが、防災にとって大切なことだと思います。


企画展の関連イベントである「鶴見川流域フィールドワーク」は、2月4日のあと、2月11日、2月25日、3月4日、3月11日と続きます。詳しくは横浜市歴史博物館


ホームページをご覧ください。


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アジア航測のとりくみ

アジア航測は、博物館やビジターセンターなどさまざまな施設にコンテンツやシステムを提供しています。


これらは、より多くの方に防災や環境、歴史、まちづくりなどを、触れたり見たりしながら身近なものとして考えられるよう願って、つくられています。


今後の「博物館へ行こう!」シリーズ(?)でも、面白い展示をご紹介させていただきます。お楽しみに。


 
 
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