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  土砂災害防止月間特集

雨の多い季節、みんなで意識して災害をふせごう

   
毎年6月は土砂災害防止月間です。土砂災害の防止と被害の軽減を目的に、国土交通省は昭和58年より6月を「土砂災害防止月間」と定め、土砂災害防止のために
全国統一防災訓練や全国の集いなどさまざまな取り組みを実施しています。
今年は関東から九州にかけては平年より梅雨入りが早く、東北、北陸、沖縄では遅くなりました(速報値)。沖縄ではすでに梅雨が明けましたが、梅雨期は大雨による
災害が発生しやすいときです。また、台風が発生する秋までは、土砂災害や水害には特に注意しましょう。

土砂災害から身を守るためには、自分の住んでいるところが土砂災害危険箇所かどうか確認し、雨が降り出したら土砂災害警戒情報に注意しましょう。土砂災害警戒
情報が発表されたら早めに避難し、どうしても避難場所への移動が困難なときは、次善の策として、近くの頑丈な建物の2階以上に緊急避難するか、それも難しい場合
は家の中でより安全な崖から離れた部屋や2階などに避難しましょう。
また、土砂災害には、「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3つの種類があり、これらが発生するときには、多くの場合、何らかの前兆現象が現われます。
前兆現象に気づいたら、周囲の人にも知らせ、いち早く安全な場所に避難することが大事です。  「政府広報オンライン」サイトへ(外部リンク)

      
左:尾根直下で発生し住宅地を襲った土石流 広島市佐伯区観音台 中:上流で発生した土石流がボックスカルバートを通過 佐伯区屋代 右:土石流と流木をとめた砂防堰堤 
いずれも1999年7月1日アジア航測撮影
 

1999年6月29日15時から18時にかけて、広島市周辺の各地で豪雨によるがけ崩れや山腹崩壊、土石流が発生しました。広島県災害対策本部が7月21日に発表した資料
によると、県内の死者は31名、行方不明者1名、負傷者54名、家屋等の被害は52市町村で全壊が152棟、半壊101棟、床上浸水1,397棟、床下浸水2,813棟となっています。
被害の発生は広島市の中でも南西部の佐伯区から北東にかけての安佐南区、安佐北区に集中しており、土砂移動の発生場所も集中しています。

さて、広島における近年の住宅地開発の状況は著しく、海岸線の埋め立て以上に山間傾斜地での開発が目立っています。山地を切り開いて台地状にし、段々の宅地を造成
する時に背後の谷地形や斜面との間隔に必ずしも十分な配慮が見られないものもあります。すなわち、谷出口である扇頂部まで宅地化されている場合が多くみられます。
今回の災害はこのような造成地の周辺でも数多く発生していました。

このため、災害の原因となった土砂移動の規模や発生流域については小さいものが多かったにもかかわらず、大被害につながっています。がけ崩れのほとんどがこれにあて
はまりますが、土石流に関しても小さな流域で発生したものが民家を直撃した事例が目立っていました。谷出口付近からかなり離れた氾濫部においても人的犠牲者を伴う
多数の家屋被害が目立っていました。

一方で、砂防ダム、治山ダム、沈砂地など多くの防災施設は被害の防止・軽減のためにかなりの効果を発揮していました。しかし、一部の渓流では土石流がこれらの施設を
乗り越えて下流の流路からあふれ、居住エリアに氾濫するに至ったところもありました。また、破壊寸前の状態の小規模な治山ダムや完全に破壊されたものもありました。

佐伯区八幡が丘  ステレオ空中写真(肉眼平行視用)
障害者施設「佐伯明星園」で土砂崩れが発生、職員5名が巻き込まれ,うち1名が亡くなった。建物は谷の中にすっぽり入るように位置しており,背後の斜面で発生した斜面崩壊の直撃を受けた.

このため、本災害を契機として「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(土砂災害防止法)が公布され、2001年4月1日に施行されました。
本法は、土砂災害から国民の生命を守るため、土砂災害のおそれのある区域について危険の周知、警戒避難態勢の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転
促進等のソフト対策を推進しようとするものです。わが国は、地形的にも地質的にも変化に富み、本法律で対象とする土砂災害現象も多岐にわたるものと考えられます。
これまでにも各地で多数の土砂災害が発生し、多くの人命が失われてきました。 本法の施行を契機として、同法に基づく砂防基盤図の作成や基礎調査等の一連の調査
を円滑に実施するための技術マニュアルが作られています。





アジア航測のとりくみ

 
アジア航測では、地震、台風や集中豪雨による河川氾濫、土砂災害などの自然災害が発生したとき、災害の状況を正確に把握することが防災・応急対策にとって重要と
考え、独自の判断により自社撮影を行っています。
また、撮影画像を用いたコンサルタント技術者による判読・解析、被災判読図や赤色立体画像の作成、合わせて全周囲映像の撮影もしています。
得られた情報は随時ホームページ上で公開して参ります。弊社技術が、現地の詳細解明ならびに二次災害の抑制に少しでもお役に立てれば幸いです。

 
 
 
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