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衛星データを活用した小水力エネルギーポテンシャルの算出手法の開発

'衛星観測による標高や降水量と水理解析を組み合わせて水資源を把握する手法の開発


小水力エネルギー開発では、どの地域が開発に適しているのかを知ることが重要です。

標高データや流量観測データを利用すれば、その地域を推測することができますが、開発途上国など基本的な水文情報が少ない場合は、衛星データを活用する手法により、海外でも小水力発電から中規模水力発電までの開発有望地の選定に役立てることが可能です。この手法は、衛星データによる観測の段階から一歩踏み込み、政策や施策に対する意思決定場面での利用を目指しています。空間情報技術とコンサルティングの両方の技術を持つアジア航測ならではの手法です。

(図は 相模川の抽出例 (赤線が抽出河川、背景はGoogleより))

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小水力エネルギーポテンシャルの手法の概要


図1 衛星観測から取得されたデータと開発手法のフロー

小水力エネルギーポテンシャルは、利用できる水の落差と使用可能な流量に比例するので、標高データと流出解析を応用することで算出が可能となります。その手順は、概ね以下のようになります。

①衛星によって得られた標高データから、空間分析により河川を抽出し、小流域区分を行います。
②衛星観測によって得られた降水量データから、時間雨量を作成します。
③②で作成した小流域を対象に、の雨量と流出解析により、小流域末端での1時間当たりの流量を算出します。
④最後に、③で算出された流量と水の落差から、小流域末端地点の小水力エネルギーポテンシャルを算出します。これにより、小流域単位で小水力開発の有望地を選定することができます。

衛星観測によって得られたデータと開発手法の全体的なフローは図1のとおりです。
(注:降水量データの著作権はJAXAに帰属します)

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利用する地形データ(SRTM3※1)

衛星観測地形データは、誤差分布が一様で比較的精度が良いSRTM3(90mメッシュ)を利用します。
山間部を流下する富士川、山間部と平野部を流下する相模川、都市部を流下する多摩川を対象に、SRTM3から河川の抽出を行い、衛星観測地形データからこれらの本川抽出が可能なことを確かめました。参考に、相模川の抽出例を図2に示します。平野部で流域平均勾配が1/3000より緩やかになると、本川の抽出が困難となることがありますが、小水力エネルギーの開発有望地は中山間地であるので、問題は少ないと言えます。

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衛星観測降水量(GSMaP※2)


図3 世界降水量マップ

GSMaPは、1998年からの時間降雨量(約25kmメッシュ)が利用できます。2003年以降から解像度は約10メッシュとなりました。2006年以降はJAXAによって現在もほぼリアルタイムで情報が提供されています。
図3にGSMaPを利用して作成した世界降水量分布を示します。平均年間降水量分布(1998年~2006年の平均値)を示したもので、紫は降水量が250mm以下、赤が3000mm以上となっています。
GSMaPは、降水を直接観測しているわけではありませんので、地上雨量との相関を調べる必要があります。そこで、10kmメッシュ内に複数の地上雨量観測点が含まれる地区を選定し、衛星によって推定された雨量と地上雨量(ティーセン分割によるメッシュ内平均雨量)との比較を行いました。その一例を図4(多摩川下流)に示します。
図4は、降水量の頻度分布を示しています。小水力エネルギーポテンシャルの算出では、1時間ごとの個々の雨というより、使用可能な流量規模が年間を通してどの程度利用できるのかという統計的な性質が重要です。衛星データによる降水量は、地上雨量を実際より小さく予測していますが、頻度分布の形状がよく類似していることから、補正などを行うことによって小水力ポテンシャルエネルギーの算出に利用できることがわかります。なお、同じ時刻に観測された1時間当たりの雨量の相関はそれほど良くないこともわかっています(図4の地点では、相関係数約0.5)。これは、洪水予測などに衛星データを利用する場合は、ピーク流量などを正しく算出できない場合があり、使用にあたっては何らかの補正が必要になることを示唆しています。

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月平均発電量の推定


図4 地上雨量との比較

関東地域を対象に、2003年の衛星観測降水量(年平均値)を利用して、年間平均発電量(kwh)を推定しました。抽出された河川の高低差をすべて利用できると仮定した場合の結果を図5に示します。
現在は、平均降水量や平均流量でのポテンシャル評価ですが、今後は、時間流量の算出や流量観測データとの比較など精度検証を行い、小水力エネルギーポテンシャルの算出手法を確立していきたいと思います。

また、衛星降水量は10kmメッシュですが、気象庁のCバンドレーダーは1kmメッシュで雨量情報を解析しており、国内の小水力エネルギーポテンシャルの算出には、Cバンドレーダー解析雨量の利用ができるよう検討しています。

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図5 小流域別月平均発電量



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