鹿角地すべり・水蒸気爆発・土石流
合同現地調査の写真から

(1997年6月6日修正)

1997年5月23日から25日にかけて、秋田大学教育学部林信太郎助教授と、鹿角地すべりに関する合同調査を行い、多くの成果をあげることができた。 ここでは、その調査の際に撮影された写真の中から、代表的なものを6枚紹介する。これらの写真のコメントの詳細については、作成中の報告書に記載予定である。

地すべり末端付近の現地写真を見る
5月23-24日 地質部 藤田浩司 撮影・作成

千葉達朗が1997年5月23日~25日、6月1日撮影。

番号

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写真のタイトル

解説

1

地すべり全景 (5/23)

澄川温泉の建物は全く残っていない。澄川神社のお社を除けば、すべて対岸及び下流に運搬されている。ここから見える滑落崖は下部のものである。

2

発見された水蒸気爆発の火口 (6/1)樹の上から撮影

長径12m×短径10m。このA火口は浅い皿状の火口。現在は、H2S臭のする噴気をあげる。低い縁からは温泉も湧出しており、水温は37度ほど。

3

水蒸気爆発の噴石 (5/23)

A火口の対岸の樹林帯で見つかった最大級の噴石。灰色の変質安山岩で比較的硬い。

4

赤川の土石流堆積物 (5/25)

赤川温泉付近の現河床の状況。灰色の温泉余土の流れ山を含む段丘堆積物は、今回の最初の流れ堆積物。岩屑雪崩に近い性質をもつ。その後の土石流などで浸食され、段丘化。

5

上部地すべり (5/25)

上部地すべり最奥部の最大落差60mに達する滑落崖。垂直方向の条線が明瞭。滑落崖上の白色のものは雪。
 上位より、角礫層、ローム、秋田焼山の溶岩流、熱水変質をうけた緑色凝灰岩が確認できる。滑り面の傾斜は、堅い溶岩流の部分のみが急となっている。

6

地すべり地内の湖 (5/24)

 下段の地すべりの背後には、滝から流れ込む融雪水で、湖が形成された。傾いた林がそのまま水没、幻想的な光景が展開する。鹿角営林署によって流入防止や排水対策工事が進められている。

 
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