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八幡平澄川温泉の地すべりと土石流と水蒸気爆発

千葉達朗*


1997年5月11日午前8時,秋田県鹿角市澄川温泉で,雪どけと大雨が重なり地すべりが発生した。澄川温泉では,4日から水が濁り,7日に地割れが確認され警戒を強めていたところ,8日にかけて100mmを越える雨があった。10日には露天風呂に土砂が流入,宿泊客や関係者が避難した。翌11日の朝7時頃から速度が劇的に増加,8時頃に大規模な地すべりとなり,澄川温泉が倒壊した。 地すべりの末端部から発生した泥流は赤川源流に流れ込み,土石流となって2km下流まで達した。 このため途中の赤川温泉が全壊し流失,国道341号線も寸断された。 警戒避難が適切に行われ,大規模な土砂移動現象にもかかわらず,死者・負傷者は皆無であった。地すべりの最中に末端付近で水蒸気爆発があり, 周囲に噴石が落下した他,北東方向に向かって低い角度の噴煙が発生した。写真上でも灰色の降灰域を確認できる。これらの写真はインターネット上でも公開されている。URLは,こちらである。
写真-1 澄川温泉の地すべりと土石流
1997年5月12日午前11時50分アジア航測(株)撮影 温泉変質をうけた脆弱な基盤上に新期溶岩が累重する不安定な地質条件と急激な融雪や降水が重なり,地すべりが発生した
写真-2 水蒸気爆発による降灰域
1997年5月12日撮影の垂直写真(上が南方向)地すべりの末端は,川をせき止めることなく泥流化し,土石流となって赤川を2km流下した水蒸気爆発の灰色の火山灰が,地すべり移動の延長方向(北東)にのびている

*アジア航測株式会社防災部
「写真測量とリモートセンシング」vol.37,No. ,1997
 
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